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03-02
職員室から出てきた黒羽は少しこった肩をほぐしながら携帯をチェックした。
担任の話は30分程度だったが、何も連絡がないのはおかしい。
念のために果歩に電話をしてみるが、同じように向こうにも連絡はないとのこと。
仕方なく学校をウロウロしていると、空き教室の前で足が止まった。
嫌な思い出がよみがえる。
この教室であったことよりも、それを人に知られているということのほうが嫌だと思った。


「…まさかな」


嫌な予感、とでもいうのだろうか。
そんな感覚が黒羽の頭をかすめる。
きっと自分の経験に重ねているだけだと思って、足を進めようとした時だった。


「や、だっ。離してっ!!」


ドアが乱暴に開かれ、転びそうな勢いで人が飛び出してきて、反射的に受け止めた。
それは悠だった。
追いかけて出てきたのは確かラグビー部の2年生。
震えながら黒羽にしがみつく悠を見れば、何があったのか想像するのは簡単。
相手の男は黒羽を見て気まずそうに立っていた。


「邪魔するな」
「何のだ?相手が嫌がることをする邪魔か?」
「黒羽くん…っ」


二人が睨み合う気配を感じた悠は離れて静止しようとしたけれど、自分を抱き止めた腕がそうさせてくれなかった。
逆に腕に力がこもる。

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あきゅろす。
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