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03-01
最後のテストが終了すると、教室の空気は夏休みへと一変する。
テストの結果は気にしたくないとでも言わんばかりに夏休みの予定を話し合う声で教室は賑やかになった。
部活動も解禁となり、グラウンドでは早くも野球部が整備を始めている。
テニス部ではテスト最終日は部活は休みで、海で遊ぶことが恒例になっていて、昇降口に次々と部員が集まり始める。


「果歩先輩、遅―い」
「ごめん!担任につかまっててさ。あれ?悠は?」
「まだですよ。一緒だと思ってました」
「早くに教室出て行ったんだけどなぁ」


果歩は悠の携帯を鳴らしてみるが出る気配はない。
仕方なくメールを送った。
悠が来ないことにふくれていた葵の顔が一気に明るくなる。
その先には黒羽と天根の姿があった。


「あ、バネ。担任が探してたよ」
「マジで?」
「マジマジ。大学がどうとか言ってたけど?」
「ちょっと行ってくるわ。先に行ってくれていいから」
「了解」
「あ!バネさん!」


果歩と黒羽の間を遮るように葵が割り込む。



「何だよ」
「悠さんも一緒に連れてきて欲しいんです」
「いいけど…?」
「まだ校内だと思うんだけど、連絡取れないんっすよー」
「わかった。探してみるよ」
「お願いしますよ!」


そう言い残すと他の部員を連れて、いつもの海へと向かった。
残された黒羽は悠に待っていることをメールで連絡しながら、職員室へと向かった。

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