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02-06



次の日の朝。
そろそろ朝練を終えようかとしていたテニス部の面々のところへ、顧問に呼び出されていた葵が戻ってきた。
顧問が遅刻をしたのでちょっとしめてやるかと言っていたのにもかかわらず、当の本人は満面の笑みで、迎えた人たちは一様に首をかしげていた。
葵は一目散に黒羽に駆け寄ると、ニヤニヤと笑いながら腕に飛びついた。


「いいもの見ちゃった」
「なんだよ、気持ち悪い」
「この前の子、悠さんって言うんだね」
「はぁ?」
「だーかーらー」


いつの間にか集まったレギュラーメンバーの真ん中に立ち、葵は説明を始めた。
事の始まりは職員室に呼び出されたとき。
まだ職員もまばらな中で、隣の生徒指導室から話し声が聞こえていた。
また誰かの悪さでも見つけたのかな、と思いながら、顧問と話していた。
そして説教が終わると同時に生徒指導室の扉が開き、校長と3年の学年主任、そしてどこか忘れたが3年の担任が出てきて、それに続いて出てきたのが悠だったのだ。
顧問に追いやられるように職員室を出た葵は、廊下で悠が出てくるのをしばらく待った。
案の定、数分遅れて悠は職員室を出てきて、そのまま廊下の窓からグラウンドを見ていた。


「おはよーございますっ」
「お、おはよ」


葵はまったく自分に気付く様子のない悠に声をかけた。
悠は驚いた顔をしたものの、葵の笑顔につられたのか柔らかい笑顔を見せた。
そこからは葵の独壇場で、十分ほど話し終えた頃には、お互いの携帯番号を交換していた。

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あきゅろす。
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