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02-01
家から海へ続く道のりにある、色褪せて古くなってもまだ役目を終えることなく立ち続ける掲示板。
それは記憶にある限りではずっとここにあって、その時の出来事を刻み続けている。
そういえば小学生の頃に飛び抜けて絵がうまい友達が描いた防犯ポスターが貼られたこともあった。
前を通るたびに友達は嬉しそうで、掲示期限が切れて剥がされたポスターを大切そうに持って帰っていた。
そこに今は夏祭りの告知ポスターが貼っている。
そういえばそんな時期なんだと思った。
小学生のときは友達と親公認で夜遊びが出来る貴重な日で、祭が来る日を指折り待っていた。
行かなくなったのはいつからだったか。
浴衣に心躍らせることがなくなったのも。
立ち止まった足を進めながら思い出そうとしてやめた。
あの頃には嫌な思い出が多過ぎる。


「祭、行きたいの?」


背後からかけられた声に振り向くと意外な人物がいて、再び足を止めた。


「亮…」
「久しぶり、かな」


何もしなくても汗をかくような気温だというのに爽やかに笑う亮を見て、うらやましいと思った。
綺麗に伸ばされた髪が風になびく様が爽やかさを倍増させる。
少し距離を縮めてさっき私がいた掲示板の前に立つと夏祭りのポスターを見た。

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