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01-13


長い真夏日もそろそろ傾き始める時間。
まだ乾ききっていない髪を気にしながら、悠は再び学校を訪れた。
さすがに少なくなっていた生徒の数に安心して校内に足を踏み入れる。
ほとんど通っていない学校は、慣れない人の家のようで居心地が悪い。
学校側のおかげでなんとか3年まで進級できたものの、このまま卒業出来るなんて思えない。
いい加減、けじめをつけなければと考えながら、校内をウロウロしている時だった。


「ちょっと」


見知らぬ女生徒に突然肩を掴まれ、悠は不快感をあらわにした。
それは振り向き、彼女の表情を見て更に高まる。
憎しみを帯びた顔は酷く歪んでいるのにどこか泣き出しそうで、少し心配にもなる。


「いらないことしないで」
「え?」
「黒羽くんのこと!」


彼女から名前を聞いて鼓動が速くなった。
そして締め付けられているように苦しくも。
何も言わない悠に苛立ったのか女はぐっと肩を掴む手に力を込めた。
その力を反射的に振り払うと、真正面に向き合った。


「何を言っているかわからない」


そう言って悠は足早にその場を去った。
何か叫んでいたけれど、それはもう悠の耳には届いてなかった。

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あきゅろす。
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