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01-11
「悠の出現で焦ってるって感じだね」
「何だよ、急に」


亮は飲み終えた缶をゴミ箱へ投げ込むと黒羽を見た。
その表情は真剣で、少し怖いとさえ感じるものだった。


「バネさんの交友関係に首を突っ込むつもりはないけど悠を泣かせないようにね」


返す言葉が出なかった。
もちろん悠を泣かせるような事をするつもりはないので、わかったと言えばいいのだけれど。
亮の言葉が彼自身だけのものではないような、もっと重いものがあるような。
そんな気がして簡単にわかったとは言えなかった。


「ははっ、サエじゃあるまいし」


何か返事をしなければと思って出た言葉だった。
心の中で佐伯に少し申し訳なく思う。
亮は今までの考えをすべてわかっているかのような笑顔を浮かべている。


「確かにサエのような事をするとは思ってないけど、無意識の行動ほど人を傷つけるものはないんだよ」


まるで言い聞かせるような口調で、黒羽は次こそただ頷くしか出来なかった。

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あきゅろす。
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