1 「いや、近寄らないでっ」 必死に喉から絞り出した声に背筋が反応して、ゾクゾクと震えた。 震える足を引きずる音すら快感を呼ぶ。 「何でこんなこと…おかしいよっ!」 こうなる前から、もうとっくに壊れてしまっていたんだ。 それを必死に隠して抑えつけて。 ストッパーが外れた欲望は、今までの反動もありとめどなく溢れる。 逃げ惑う姿さえ愛おしいなんて、本当におかしいね。 「鬼ごっこをしよう。僕が鬼。君は命掛けで逃げて」 そう言って開けた扉から君は矢の如く飛び出して行く。 この気持ちが恋や愛なのかなんてわからない。 ただ君が欲しいと身体が叫ぶんだ。 こんな方法じゃ君に嫌われるってわかっている。 でもこんな方法しか知らない。 飛び出して行く瞬間、僕を見た君の瞳で確信した。 もう昨日までの穏やかな二人ではいられない。 欲望の向くままにいる代わりに、君を失ったんだ。 -------------------- 移行作業で読み直して思ったんですが…。 何を書きたかったんでしょう?私w 2008/8/8 (2012/5/7 加筆、旧サイトより移行) title;+DRAGON+BLUE+ [戻る] |