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中学生ともなれば男女問わず恋愛に興味を持つもので。
そんな中、俺は日だまりとテニスだけが好きで、何組の誰がなんて言われても全くわからないくらい女の子に興味がなかった。
ないふりをしていた。
「ジロー先輩、もう放課後」
「んー知ってるー」
マネージャーの●は放課後になるといつも迎えに来る。
だから誰より最初に見つけた。
左手に光る指輪を。
シンプルで●らしいなって思ったのと同時に気付いた。
「あと10分ーっ」
地面についていた膝に頭を乗せるとやんわりと押しやられる。
指輪をつけた手で。
眠ったふりをしていつも考えてる。
君を奪い取る方法を。
見知らぬ男に遠慮するほど優しくないんだよね、実は。
仕掛けた罠はもう動き始めてる。
誰からも許されなくても、最低だと罵られても欲しいものを手に入れたい。
「ジロー先輩?」
口元が緩んでしまっていたのか不思議そうに問い掛けてきた。
手を伸ばして柔らかい髪に触れて、サラサラと梳く。
恨むなら自分自身を恨んでね。
無意識に犯してる罪ほど深いものはないんだ。
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2008/6/12
(2012/5/7 加筆、旧サイトより移行)
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