†薔薇契約 〜engage〜† ◇7◇ アークはイヴの上から退くと、ルイスの方へと近付いた。 「お帰り、ルイス。…よく無事に帰って来られたね…。元気そうで何よりだ」 「……。イヴに手を出したのですか?」 ルイスは、アークの言葉を無視して冷ややかに言った。 「はは…、出してないよ。少し遊んでしまっただけさ」 そう言って、アークはウィンクした。 「…そうですか。言っておきますが、彼女は僕の花嫁候補として連れて来ましたから、今度手を出したら…許しませんからね」 ルイスは殺気が込められた瞳で言い放つと、スタスタとイヴの方へ近付いて行った…。 「…イヴ、僕の部屋に戻りますよ」 そう言ったルイスの顔は驚く程無表情で、有無を言わせない雰囲気を放っており、イヴはただ頷いた。 そして、ルイスはイヴを抱き上げると扉へと向かった。 「……。ルイス、今度からお遊びは誰の目も届かない場所でやるんだよ」 アークの言葉に、ルイスは余計なお世話だという表情を浮かべると素早く部屋を出ていった。 「ふ…。イヴ…ねぇ…確かに、申し分のない美しい少女だ…。…ルイスの奴…あれは本気だねぇ…」 アークは、自室で一人微笑んだ。 …………… [*前へ][次へ#] [戻る] |