†薔薇契約 〜engage〜†
◇4◇
……………
落ち着きを取り戻したイヴは、部屋に置かれていたテーブルの席にルイスと向かい合って座っていた。
先程からルイスは何も言わず、イヴも黙っていた…
「あの…。ルイス、怒って…る?」
先に口を開いたのはイヴだった。
「えぇ、怒ってますよ?」
彼は即座に笑顔で答えた。
「…っ。だ、だって…!私…、私…」
イヴはしょんぼりと下を向くと、ルイスはやれやれといった仕草をした。
「…。つい数刻前に、私は貴女に向かって“お互い助け合いましょう”と言った筈なのに…。何の相談も無しに馬鹿な行為に走るなんて…ね」
ルイスの言葉が、グサリと胸に刺さる。
「…!な、馬鹿って…。貴方に何がわかるのよ…。やっぱり、私の苦しみや痛みは…誰にもわからないんだ…」
イヴは悲しげに自身の手で顔を覆った。
「イヴ…、貴女の抱える不安を、全て僕に打ち明けて下さい。そうしなければ、知ることなど到底難しい…。僕は、貴女の為に出来る事を全て手助けしたいのです」
ルイスの言葉に、イヴはゆっくりと顔をあげた。
(…彼の目は、真剣だ…)
確かに…
今の私に、頼れる人はルイス以外、居ない…
…この身体と共に、生きていく為に…
私は……
イヴは、ルイスを見つめ、小さな声で感謝と謝罪の言葉を述べた。
……………
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