†薔薇契約 〜engage〜† ◆2◆ …………… 「…イヴさんって、前に新しく入った子よね?あの、銀髪で可愛い子」 中庭を捜索していたメイドのエリーゼは、生い茂る垣根を分けながら口を開いた。 「そうそう。廊下で一回すれ違った事あったよねぇ!…でさぁ〜、イヴさんって実は、どこかの有名貴族出身のお嬢様だって思うのよ〜!」 「はあ…、また始まったわね…ターシャの妄想劇場。…で。どこをどうしたらそんな考えに行き着いたの?」 「ズバリ!“感”でありま〜す。それに、イヴさんを捜すルイス様の様子がめちゃくちゃ真剣だし〜、必死な姿が一段と格好良いし〜」 「…ははあ、確かにそうね。…考えてみればイヴさんにはどこか気品が漂っていた感じがする様な…」 「だよねだよね♪…って事はやっぱり、イヴさんはルイス様の恋人なのかな?もしかしてお妃様候補??あ〜、イヴさんが気になるよぉ〜!」 ターシャはバシバシとエリーゼの背中を叩きながら言った。 「あたたたっ…。そんなの私だって気になるわよ。けど、お妃様候補ならなんでメイドなんて……」 「……二人共。余計な話はやめて、ちゃんとイヴさんを捜しなさい」 「!」 エリーゼとターシャが振り返った先には、モニカが腕を組みながら立っていた。 [*前へ][次へ#] [戻る] |