「僕と。」
私はもしかしたらくのいちに向いてないのかもしれない。
そう思った事すら間違いだったんだろう。向いてないかもなんて、忍の三病・迷うに当て嵌まってしまう。ああやはり私は忍に向いていない。
このところ失敗続きで、実習でもケガを負う羽目になった。所々に巻かれた白い包帯が目に痛い。
……なんかもう、疲れちゃった。
誰かに話を聞いて欲しくて、仲の良い忍たまの雷蔵に相談してみた。優しい彼なら嫌な顔せずにきっと話を聞いてくれるだろうから。
彼が決断してくれるとは思わなかったけど、一緒に悩んで欲しかった。
けれど、優柔不断の彼はこう言い切った。
「そんなの答えは簡単だよ。」
思わぬ彼の即答に驚いてすぐに反応が返せなかった。でも彼のその言葉の続きに、私は更に驚く事になる。
「行けるとこまで行って、それでもやっぱり無理で疲れちゃったら……」
「僕と結婚しよう。」
(ああでもくのいちになっても名前に結婚して欲しいなぁ。どうしよっか……うーん……。)
20100517
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