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02


見られた。
見られた見られた見られた見られてしまった……!何時から……!?

「……何の事?」

唇が震えないようにするのがやっとだった。

「白を切るつもり?見間違いなんかじゃないよ。それに……まだ爪の間に土が残ってる。」

嘘っ!?あれだけ綺麗に手を洗ったのに、まだ残っていたというの?!夜中に井戸なんかで洗ったからよく見えなかったせい?!
反射的に爪を見た、が。

「嘘。」

土なんて付いてなかった。

「嘘だよ。爪の土なんてよっぽど近くでないと見えるわけない。」
「騙したの……?」

私は墓穴を掘らされたようだ。この男は可愛い見た目とは裏腹にとんだくせ者だ。

「おお、怖い。」

感情の篭っていない言葉に、私は無意識に殺気を放っていた事に気が付いた。でも止める気なんて起きるわけがない。この男は私の秘密を知ってしまったのだ。これ以上罪を重ねたくないが、誰かに知られたとなれば話は別だ。

口封じをしなくては。

「……何を埋めたのか、見た、の……?」
「……最初はタコ壺を掘っているのかと思って見ていた。私以外の人間がどんなタコ壺を掘るのか興味が沸いて。でも様子がおかしい事に気が付いて、目を凝らして漸く見えたのが、桃色の忍し」

綾部がそこまで言った所で私は彼に切り掛かった。首に突き刺さるはずだったクナイは彼の持っていた鋤によって止められてしまった。どんなに力を入れても、男女の力の差というやつだろうか、鋤はぴくりとも動かなかった。暫く膠着状態が続いた後、彼は表情を変える事なく言った。

「名字さん、お腹空いてない?」




20100109

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あきゅろす。
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