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立花仙蔵と


保健委員の当番である私はこの部屋に入って来た人物の顔を見て、一気にやる気が無くなった。

「保健室に入って来ないで下さい、立花先輩。」
「邪魔するぞ。」

私の言葉は見事にスルーされ、ずかずかと私の側にまでやって来た。また騒がれると思ったら、ずいっと手を差し出された。不思議に思いつても見ると、手の甲に擦り傷があった。

「手当てしてくれ。」
「珍しいですね。」

思わず思った事がそのまま口から出た。

「私もたまにはケガくらいするさ。」
「……もしかして、しんベエと喜三太ですか?」
「…………。」

黙り込んだのは正解と思って良いのだろう。しんベエと喜三太が悪いわけではないが、立花先輩が不憫に思えて来たので頭を撫でてあげた。

「名前っ……!」

不意に抱きしめられ、思わず突き飛ばしそうになったが、珍しく弱ってる先輩に優しくしてあげる事にした。先輩の背中を撫でてやると、私の背中にも回されていた手がするりと下に下りてきた。

「何処触ってんですかー!!」

調子に乗って来た先輩を思いっ切りぐーで殴ると、「ちっ」と舌打ちしやがった。全然弱ってないじゃんか!演技かよ!

「やっぱり立花先輩は保健室立入禁止です!!」

しんベエと喜三太を本気で保健委員会に勧誘しようと思った瞬間だった。




20100311

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あきゅろす。
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