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盗み食い(暁)
「よくも私を騙してくれましたね。この恨み晴らさせて頂きます」
「冷蔵庫の中のものを勝手に食っておいて逆ギレするな」
「私がつまみ食いするようにし向けたのはサソリさんじゃないですか」
「それ勝手な思いこみじゃねーか」

二人がギャーギャーと騒いでいるのを横目に、デイダラは呆れたように呟く。

「やれやれ。また始まったな…うん」

騒ぎを聞き付けた飛段は二人の殺気には近づかず、デイダラに話しかける。

「なんだまたサソリと名前の喧嘩か?
まあ喧嘩するほど仲がいいって言うし、いいんじゃねーの」
「あの二人の喧嘩の度合いはそんなものじゃないだろ飛段。そんなことより原因は何なんだ?」

後ろから音もなく現れたイタチに二人はビクッと驚く。

「イタチ、いつの間にそこに…まあ、いいか。
実は名前がサソリの冷蔵庫の中のものを勝手に食ったらしいんだが、それがマズくてがキれたんだ。うん」
「それは名前が全面的に悪いな。
しかし逆ギレするということは、よほどマズかったんだろうな」
「そうみたいだな。うん」


「大体、私の大好きなプリンが冷蔵庫にあったら食べたくなるじゃないですか」
「はぁ…?
そもそも、プリンなんか冷蔵庫に入ってない」
「とぼけないでください」
「とぼけてねーし」
「じゃあこれは何ですか? どう見てもプリンでしょ?それが全然甘くないなんて詐欺ですよ」

名前はプラスチックカップに入った黄色いプリンのようなプルプルとした物をサソリに見せつける。
サソリはそれを見てため息をつく。

「………それはプリンじゃねえ。茶碗蒸しだ」
「ナ、ナンダッテー!!!!?」



名前ってアホの子だよな。うん」
「さすがの俺もプリンと茶碗蒸しの違いはわかるしな。ゲハハ」
「飛段といい勝負じゃないか。まあ、名前は馬鹿なお前とは違ってアホだがな」
「…それってどっちもどっちじゃねぇのか…うん」



「今度からは茶碗蒸しなら茶碗蒸しとしっかり書いておいてください」
「その前に盗み食いすんなアホ」

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