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超難関試験、カカシとの会話
「よし!自己紹介はそこまでだ。
明日から任務やるぞ」

お、さっそく初任務の話か。

「はっどんな任務でありますか!?」

ナルトはわくわくしした様子でカカシに聞く。
カカシは相変わらず流されることなく、冷静に話を進める。

「まずはこの四人だけであることをやる」

「なに?なに?」

ナルトは身を乗り出してカカシの言葉を待つ。
よほど任務がやりたかったのであろう。

「サバイバル演習だ」

ナルトは思っていたものと違う任務の事を聞きぽかんとする。

「サバイバル演習?」

「なんで任務で演習やんのよ?
演習なら忍者学校でさんざんやったわよ!」

サクラはナルト同様、任務らしい任務がしたいようで文句を言う。

「相手は俺だが、ただの演習じゃない」

三人は訳がわからないと言わんばかりの表情になる。

「じゃあさ!じゃあさ!
どんな演習なの?」

「……ククク…」

カカシはいきなり笑い始め、三人はまた意味がわからないような表情になる。

「ちょっと!
何がおかしいのよ先生!?」

サクラは何がなんだかわからなくなりカカシに問う。
カカシは笑いは止まったが、にやにやした表情は変わってはいない。

「いや…ま!ただな……
俺がこれを言ったらお前ら、絶対引くから」

三人はますます訳がわからなくなる。

カカシ、早く演習の意味教えてあげなよ…

「引くゥ…?は?」

ナルトとサクラは早く早くと演習をやる意味を教えろとカカシを急かす。

カカシはわかったわかったといい、先程のにやにやした表情とは一変し

「卒業生27名中下忍と認められるものはわずか9名。残り18名は再び学校に戻される。
この演習は、脱落率66%以上の超難関テストだ!」

といい放つ。

三人はその言葉に声が出なくなるほどにドン引きする。

「(まあ確かにこれも引くけど、私はカカシがいきなり笑いだした方が引くな)」

名前は四人の様子を見ながら呑気にそう思った。

カカシはその様子を見て再び笑う。

「ハハハ。ホラ引いた」

「ンなバカな!!
あれだけ苦労して……
じゃ!なんのための卒業試験なんだってばよ!」

ナルトはギャーギャー喚くように騒ぐ。

「あ!あれか…下忍になる可能性のある者を選抜するだけ」

「ぬ〜〜なァ〜にィ〜…」

まあ、そう気を落としなさんなナルト。
まだ落ちたってことが確定した訳じゃないんだからさ。

「とにかく、明日は演習場でお前らの合否を判断する。忍道具一式持って来い

それと、朝飯はぬいて来い…吐くぞ!」


ん、ナルト震えているな。やっぱり緊張しているのだろうか。

「詳しいことはプリントに書いといたから、明日遅れないよーに!」

三人はカカシから渡されたプリントを貰う。

「吐くって!?そんなにキツいの!?」

サクラは吐くほどの演習をする事はしたことが無いようで少し怖じ気づく。


…けど、この試験に落ちたらサスケ君と離ればなれになっちゃう…
これは愛の試練だわ!!!


サクラは気合いをいれたようで、先程の怖じ気づいた雰囲気は無くなっていた。

サスケを除いた二人は先程から慌ただしい様子である。まあそれが普通であろう。
それに対して、サスケは騒がないし慌てないし喚かないし、ここまで冷静な奴もいるんだな。

きっと暗部に向いているよ。
いつか勧誘されるかもしれないね。

などと考えている内に、カカシは三人を解散させていた。

名前はこの場にいると三人に見つかってしまうので瞬身の術を使い、少し離れた場所に移る。



その後、三人がその場から完全に見えなくなったのを確認すると、術を使い先程ナルト達がいた所に移動をした。



「よっ名前久しぶり」

カカシは飄々とした口調で名前にヒラヒラと手を振る。

「お久しぶりですカカシさん。
まさかアナタがナルトの班の担当上忍になるなんて、驚きましたよ」

「そりゃお互い様だね。
俺だって名前がナルトの監視役に抜擢された時は驚いたよ」

「監視役と護衛役ですよ」

「そんなに対して変わらないでしょ」

カカシは一笑をする。
それに対して名前は不満げにムスッとした表情になる。

「護衛役のほうが聞こえがいいですよ。
監視役なんて、まるでナルトが悪いことをしたみたいじゃないですか」

「珍しいね、名前がそういうのにこだわるなんてさ。ナルトのことそんなに気になっちゃってるの?」

カカシは名前をからかうように話す。
名前はそれに少しうんざりした様子で小さくため息をつく。

「別にそんなのじゃないですよ。
からかうのは止めてくださいと何度も言ってるじゃないですか…」

カカシはニコニコ笑いながら謝る。

絶対謝る気が無いな、と名前は内心思った。

「ま、雑談は置いといて…
名前、お前サスケの事をどう思う」

「どうって言われましてもね…
まあ、忍としての才能はありますがチームワークが苦手みたいなので…」
「俺はそういうことを聞いているんじゃない。
サスケの野望、聞いただろ…」

名前はそれを聞くと目をそらしたと思いきや黙り混み、俯いてしまった。

カカシはその様子を見て溜め息をつく。
しかしここで急かすと名前によくないのでカカシは気持ちが落ち着くのを気長に待つことにした。

少し時間が経つと、名前は俯いたまま話を始めた。

「…サスケに彼を倒すほどの力量は全くと言っていいほど無い。サスケの野望は無謀なことです。
しかし、サスケにそんなことを言っても無駄でしょう」

「やはりお前もそう思うか…」

「でも私は止めさせたいです。サスケには自分の一族を殺させたくは無いんです。彼と同じ汚名を着せたくはないんです…」

カカシはなにも言わず名前の言葉をただ聞いていた。
名前はそのまま話を続ける。

「きっと彼を殺したくはないという私情も混じってのワガママかもしれません。彼は、私の大切な人ですので…
…ふっ…暗部のくせにこんな私情を持ち出すなんて可笑しいですよね。感情を表に出さないって本当に難しいことですね」

自分を蔑むように名前は嘲笑う。その顔は辛そうにも見えたが嬉しそうにも見えた。

カカシは名前の話を黙って聞き続けた。

「しかし彼は大罪を犯したのでそれは叶わないでしょう…
だから、せめて私の手で殺めようと思っています。
力は及ばないかもしれませんが、サスケよりは確実ですので」

「そっか…
まあ、名前ならそう言うと思ってたよ」

名前は少し驚いたように顔を上げ、カカシと向き合う。

「でも本当にできるの?名前にとって凄く大切な人だったじゃない」

「…断言はできません。
人間というものはそういうのに弱い生き物なので。しかし、サスケの事を考えるとやらなければいけないと思うんです」

名前は手を握る力を強くする。決心は大体できているということなのだろう。
目は真っ直ぐで迷いがなかった。
それほど思いが強いということであろう。

カカシはそれ以上の意思の確認をすることは要らないと判断し、この件の話をやめることにした。


「そっか…
あ、そういえばサスケの事で他にもあったな。
名前はいつサスケに自分の存命を伝えるの?」

名前は、あー…と言いながら目線を泳がせる。

「まあ、そのうちに話しますよ。
今はナルトの事で忙しいですし、生きているうちに伝えるっていうのは確実ですよ」

名前は先程とは違い、明るい表情になり、はにかみながらそう言う。

カカシはその言葉に苦笑いする。

「そうじゃなきゃ困るよ…
まあ、取り合えずお互い頑張ろうね」

「そうですね、お互い頑張りましょう。
あ、この後私は火影様に報告があるのでそろそろ行かなくては。
ではまた」

名前はカカシに一礼をすると瞬身の術を使いその場から消えたのであった。


「無理しちゃって…
空元気なのバレバレ」

カカシはそう呟くとその場から去っていった。

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