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サスケとサクラ
「さてと…今日もボチボチ頑張りますかー」

名前は木の葉暗部の面を着け、膝丈までの長さがある黒いローブを着用し、ローブに着いているフードを深く被り出かける。

以前はナルトに堂々と顔を見せてしまった名前は、見つかったとき厄介な事にならないようこの姿で監視をすることにした。

今日はアカデミー卒業試験の合格者説明会があるのだ。
それにナルトが行くので名前も監視のため行くことになっている。

「確か、説明会はアカデミーでやるんだよな」

名前は瞬身の術を使いアカデミーに向かった。


アカデミーに付いた名前は説明会がある教室の窓側に移動する。

「確かここら辺の窓が説明会のある教室だったはず…お、あったあった」

名前は気配を消し、印を結んで透遁の術を使う。
そして、監視を始めようと窓から中を覗いてみると…

「へ?」

名前は目の前の光景に思わず目を丸くして奇声を出してしまう。
何があったのかというと…

「ナルトと…男の子が…キスしてる…」

名前はその気持ち悪さに嘔吐しそうになるが堪える。

ナ…ナルトはそういう人間なのか?
しかも、キスしてるもう一人の男子…
あれ、サスケじゃないか?うちは一族の。
確か今期で一番成績がいい天才忍者って言われてたし。
容姿も良く女子にモテモテ。文武両道、容姿端麗。
性格はどうだかは知らない。噂ではクールでかっこいい少年らしい。子供っぽく無い奴だ。
しかし、そんなやつも同性愛者とは…
いや、まあ…同性愛に文句はつけないが…人目というものがな…

 名前は1度気を落ち着かせる。
ふぅ…と呼吸をし、気を取り直して中を再び覗く。
先程までキスをしていた二人は喉元を押さえたり口元を袖で拭うなどをして拒絶反応をしていた。

あ、なんだ。ナルトそっち系じゃないんだね。
私の早とちりだったか…よかった。

そんな中、教室からは

「てめ…ナルト!殺すぞ!!」

「ぐぉおォオ口が腐るゥウ〜〜〜!!!」

二人の絶望的な言葉と周囲からの野次やナルトに対しての女子のブーイングが聞こえてきた。

 そして、ひとつのとんでもない殺気も感じた。
殺気を出しているのはナルトの近くにいる桃色の長い髪の女の子である。
あの子は確か…春野サクラって名前だったはず。
まあ、普通に頭が良い子だ。
授業態度も真面目で、今時の女の子らしいところもある。簡単に言えば、ザ・普通の女の子かな。
で、そのサクラっていう子のその殺気はどうやらナルトに向けられているようだ。

「事故…事故だってばよ!!」

ナルトは必死に弁解するが、殺気を出しているサクラは耳を傾けず、指をポキポキ鳴らしている。

「…ナルト…あんたね…うざい!」

その後サクラは、男子にも負けず劣らずの怪力でナルトをこれでもかと言うくらいにボコボコにしたのだった…



しばらく経つとイルカが教室に着き、先程の騒ぎが無かったかのようなくらいに教室は静かになった。

「今日から君達はめでたく一人前の忍者になったわけだが…しかし、まだまだ新米の下忍。
本当に大変なのはこれからだ!」

名前はうんうんと頷きながらイルカの話を聞きつつナルトを監視し続ける。

「えー…これからの君達には、里から任務を与えられるわけだが、今後はスリーマンセルの班を作り…
各班ごとに一人ずつ上忍の先生が付き、その先生の指導のもと、任務をこなしていくことになる。」

「(ちィ…スリーマンセルか。
足手まといが増えるだけだな。)」

サスケは自分の実力を高く評価し、自分以下の仲間は足手まといと考えていた。

「(絶対!!
サスケ君と一緒になるわよ!!)」

サクラはサスケにゾッコンのようで、サスケと一緒ならどうでもいいようだ。

「(まず、サクラちゃんと。
…他はサスケ以外なら誰でもいいや。)」

それに対してナルトはサクラの事が好きなようで、サクラと同じ班になることを望んでいた。
サスケに対しては先程の事故もあり、一緒の班にはなりたくないようだ。

「(ナルトの班の担当上忍って誰なんだろうな。)」

名前は上の空をボーッと眺めながら呑気にしている。


「班は力のバランスが均等になるようこっちで決めた」

「「「えーーー!!」」」

えーーって…世の中そんなに甘くないんだぞ。遠足みたいに自由にチームを決めれるとでも思ってたのか。

 その後、少し反論はあったが生徒は渋々それを受け入れたのであった。



そして、どんどん班が発表される。
ときに、喜ぶ声や批判するような声が聞こえる。

そして、待ちに待った番が来た。

「じゃ、次7班。
春野サクラ…うずまきナルト!」

「ヤッター!」

お、ナルトは第7班か。
さっきナルトをボコボコにした女の子と同じ班なのに喜んでるってことは…マゾなのか?
いやいやいや…それはないな。
たぶんあの子の事が好きとかそういうのだろう。

 それにたいしてサクラは落ち込んでいるな…
でも仕方ないよ。世の中そんな上手くいかないし、嫌いな人と同じ班とかあるあるだからね。

「それと…うちはサスケ」

「しゃーんなろー!!」

前言撤回。
サクラはさっきとは別人のように喜んでいる。
一方のナルトはサクラと入れ替わるかのように落ち込む。

なるほど、どうやらこの三人は俗に言う"三角関係"というやつだろう。

ナルトはサクラの事が好き。
サクラはサスケの事が好き。
サスケは……特にそういう気持ちは無いのかな。
班のメンバーが発表されて眉ひとつ動かさないし、特に一緒になりたい人とかいないんだろう。

若いんだから青春しろっつーの…

ブツブツ文句を言っていると、ナルトがいきなり立ち上がりサスケを指差し文句を言い始めた。

「イルカ先生!!
よりによって優秀なこの俺が!なんでコイツと同じ班なんだってばよ!!」

え、ナルトって優秀なのか?情報によるとナルトは成績超悪かったはずだが…

「……サスケは卒業生27名中一番の成績で卒業。
ナルト…お前はドベ!」

ドベって…まあ、一人だけ卒業試験合格出来ていなかったしな。情報見ても一目瞭然だったし。

「いいか!班の力を均等にするとしぜーんとこうなんだよ」

ドベと天才と普通のスリーマンセルか。
面白そうだなあ…

「フン…せいぜい俺の足ひっぱってくれるなよ
ドベ!」

サスケはナルトに目もくれずドベという単語を強調して言う。
ナルトはその態度が気に食わず怒りを爆発させる。

「何だとォコラァ!!!」

「いいかげんにしなさいよナルト!!」

ナルトにサクラの鉄拳が再び落ちた。

「うわぁ…痛そうだな〜
たんこぶできなければいいけど」

見ているだけで苦痛が此方に伝わってくる。
思わず苦笑いをしてその様子を見ていると、サスケがこちらの方向をじっと見ていることに気がつく。

私の事が見えているのか?
いや、まさかな…いくらアイツが天才と言われていても下忍なんだ。そんな奴に透遁なんか見破れるはずない。気配も消しているから尚更である。

「じゃ、みんな。午後から上忍の先生を紹介するから、それまで解散!」

ナルトは昼食を取るため教室から出ていったので名前もその場を後にする。

サスケの目線も気になっていたが忘れることにした。

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