ナルト捜索1
「見つかんないなー」
名前はナルトを探しにかれこれ2、3時間里中を廻っていたが見つかることはなかった。
「捜索とかはそんなに苦手じゃないんだけどなぁ…」
手掛かりもないので、名前は仕方なく今日の報告をしに火影邸へと戻っていった。
「そうか、ご苦労であった」
「火影様、ナルトの護衛はどうしますか。彼はアカデミーの卒業試験に落ちましたが…」
「うむぅ…仕方ない。ナルトの護衛の件は無しじゃ。名前よ、すまぬがまた暗部としての活躍を頼むぞ」
「はっ…火影様のご命令とあらば…」
名前は一礼をし、その場を後にした。
里は先程まで夕焼けに包まれていたが、いつの間にか辺りは真っ暗になっていた。
「時が経つのは早いものだな…」
あの事件からいつの間にかこんなにも時が経っている。
私もこの期間で随分変わったものだ。
角度で例えると90度ぐらいは変わったのではないだろうか?
いや、こんなことを考えるのはやめておこう。
気分が悪くなる。早く家に帰ろう…
名前は自然と早歩きになり、暗い夜道を歩いていった。
名前は家に帰ると真っ直ぐ部屋に行き、忍具を片付け、私服に着替えると夕食の準備をする。
名前には家族がいない。
父と母は二人とも忍であり、忍らしく幼い名前を残して里のためにこの世を去ったのだった。
名前は元々賢かったので親がいるいない関係ないかのように家事、任務など何でもこなしていった。出来が良すぎて気味悪がられることもあったが名前はあまり気にすること無く、すくすくと育っていったのだった。
名前は夕食を食べ終えると手際よく洗濯や入浴を終え、さっさと布団に入ることにした。
布団に入るが眠気は無く、今日あったことを振り替えることにした。
真っ先に頭の中に浮かんだのはナルトの事である。
「うずまきナルト…か」
九尾を封印され人柱力にされ、しかも本人はその事を知らない。
親を失い、アカデミーも不合格するほどの才能、そのうえ回りからは冷たくされている。何から何まで恵まれていない奴なんて可哀想なものだ。
まあ、私も人の事は言えないが。
鬼だ悪魔だ変な異名つけてくれちゃってさ。
別にそんなに気にしてはいないが。
だが、ナルトはどうだ?
私とは違い、九尾の人柱力で才能にも恵まれていない。
彼は苦しんでいるのだろうか。
悲しいのだろうか。
辛いのだろうか。
………わかんないや。
その後もしばらく寝ることを試みようとするが全く眠気がないので、タンスから上着を取り出しそれを羽織り、散歩をすることにしたのだった。
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