長期任務
今宵は満月
窓から差し込む月明かりと蝋燭の灯りのみで照らされている部屋には老人と黒ローブと面を纏う子供が居た。
「火影様、私に話とは」
子は老人の前で膝付き、面をしたまま話をする。
表情は面で隠され、心情がよく読み取れない。
「お前に長期任務を任せようと思ってな…」
火影と呼ばれた老人は少女に背を向け、窓から夜空に輝く月を見ながら話を続ける。
「どのような任務でしょうか」
「九尾の人柱力の護衛、監視じゃ…」
少女は驚いたのか少し間を開けて再び口を開く。
「九尾の人柱力の…ですか」
老人は少女に1つの紙を渡す。
そこには少女とさほど年の変わらない少年が写っていた。
「うずまきナルト。
お前と同い年の少年じゃ...知っておるかの?」
「はい、直接会ったことはありませんが...」
「あやつもそろそろアカデミーを卒業し、下忍となる日も近い...里の外で任務をするとき、他里にあやつは狙われやすくなる。
「そのための護衛と監視...と、言うことですか」
「そうじゃ。
護衛と監視の仕方はお前に任せる。
じゃが、お前がナルトの監視、護衛をしているということは知られない方がよかろう。
ナルトに不満やストレスを与え、最悪の場合、お前から逃げようとし、護衛ができなくなってしまえば終わりじゃ」
「そのような重要な任務、私に務まるのでしょうか」
「...お前だから頼める事じゃ。それにこれはナルトだけでなく、お前のためでもある」
「わかりました…最善を尽くしましょう。
では、後日から任務を実行します」
「うむ。頼むぞ」
少女は一礼をすると部屋から一瞬で消えたのであった。
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