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超能力部隊

それは、61年前の豪雨が降り続いている時だった。
H県の海軍墓地。拓矢は、大和の慰霊碑の前にいた。
「すいません…上官。俺達だけで雪風にいて…
本当に言うことが聞けないバカな部下でした」
拓矢は喪服の黒スーツと供える百合の花束を持って
立ち尽くしている。
そして、慰霊碑に刻まれた、上官の名前を撫でながら
濡れる土に跪いた。
「何してるの?夕霧君?」
「不二子様?」
拓矢は不二子の顔を見て驚いていた。
「俺たちだけですか…?生き残ったのは」
「いいえ、兵部もいるわ。ノーマルに撃たれたけれどもね…」
不二子は拓矢に首を振った。
「俺は、ノーマルを見捨てました」
拓矢はそう呟いて、不二子の胸で号泣した。
それが、最初で最後の泣いた日だ。


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