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日差しの傾いた静かな部屋から聞こえるのは、早川の寝息と時折打つ寝返りの音だけ


すっかり寝入ってしまった友人を、俺は飽きることなく側で見ていた。

あれから俺がここへ来る途中で買ってきたゼリーを食べて、薬飲んで

風邪もだいぶ落ち着いたのか、顔の赤みも引いていた




「早川」



「はやかわー」




「はや、か、わー」



何度呼んでも反応しない

だから



少しくらいなら触れてもいいんじゃないかなんて、勝手なこと考えた。


髪はサラサラ
睫長いし
頬は滑らかだし
鼻筋が通っていて
唇は薄く小さめ

よく見ると、すごくきれいな顔



「…守(マモル)」




あのさ、俺

こうやってお前に触れていたいって思うんだ。

お前は…それを気持ち悪いって思うかもな。
友達だってのに





なぁ、守?

俺さ、お前のこと、すげぇ大切に想うよ
誰よりも大切だよ



だからさ

俺と



友達でいて?

ずっとずっと
友達でいて?




お前のこと、傷つけたくないんだ。

悲しい顔させたくないから
絶対させないから





ずっと友達でいよう。


そう自分に言い聞かせて、俺は友達にキスをした。


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