ミコノイルセカイ 世界1 体がふわふわする。 その感覚に体を委ねていると、世界の状態が脳へ直接伝わってきた。 世界が闇に包まれる。 優しかった人が狂暴化して人を襲うようになる。 そして水面下でまだ微かに残っているその人の心が泣いているのだ。 こんな事したくない…! どうして体が動かないの!? 誰か助けて!! 助けてあげたいと思った。 でもどうやって…? そんな疑問に応える声があった。 「殺してあげれば〜?」 ハッと振り返れば不敵に笑う1人の男。 その男が纏う威圧感は凄くて、空間すら歪んでいるような気がした。 「ころすなんて…できない!」 人を殺した事などないし、この国では人を殺める事が禁止されている。破れば重い罰が与えられる。 「そうか。ならただ見てればいいさ。世界の終わりをな」 [*前] [戻る] |