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『僕と私の世界の形』
僕と私の世界の形 4話−3
私はココに居る。
連合会議の行われている議会室にいる。
今回の議題は私達の住む『水の星』の未来を左右するもので、この星の議員は『否決』を望んでいた…しかし、私は『可決』を望んだ。

「私は可決を望みます。」私の一言に周りはざわめいた。
ざわめきをかき消すように続いて私は言った。
「されど、条件がございます。」周りは静まり私に注目した。
私には『水の星』に不利なこの議題を可決させ、この星に有利な条件にする考えがあった。
「一ツ、法案を三年後から実用化する事。一ツ、我々の星で法案に関する国法を作る事。一ツ、他の星での我々の民の人権を確保する事。」と私は三ツの条件をだした。
『月星』『NEWコスモ』は一変して非難の声をあげ始めた。
「国法でこの星の人権を縛るのか、それでは自由ではない。」と『月星』の議員が叫んだ。
「民の安全を守るための法。決まり有ってこそ、安全と自由があるのだ。」と私は言い返した。
「しかし…」と反論しようとしていたが、言う間を与えたりはしない「お主の星は、無法地帯なのか?それとも、国法で民を縛り自由を奪っているのか?そんな星に民を移住させる事は出来ぬ。この法案を否決する。」私は揺るぐ事は無く言った。

「まぁまぁ、国法はどの星でも有る事。それに千さん、否決と言いきらなくても…」と『NEWコスモ』 の議員は話しの間に入って来た。そして続けて
「しかし、他の星での人権確保とは穏やかではない。今がそうでは無いと言う感じではないですか。」と良い人面で話してきた。
「いな、そのとうりでございましょう。」私はアッサリと返事をした。
「根拠も無く、何を言います。」苦笑しながら返された。
「ほぉー。根拠とな?三ヶ月前に『NEWコスモ』の反面地へ行かされた、民達は今いずこへ?私が知らないと思っておいでですか?」と私は言った後、会議室はざわめいた。
『NEWコスモ』 はこの星が水に沈む前の環境に似ているが、『NEWコスモ』自体はその星の半面まで。残る半面は未知なる世界のままである。行った者達はいたが帰っては来なかった。
決して行ってはならない。と言うのが暗黙の了解である。そこへ他星の者を行かせた、となると大問題である。
「この星の民が、他星に教育、仕事などで行っていたとしても、半年単位で帰星する事になっているが…今年に入ってから、168人が帰星していない。反面地へ行かされた…」私は言葉の語尾を濁しながら言った。
「貴女が知るはずがない!内密処理したのだから…」と思わず声を張上げ言った後『NEWコスモ』の議員はシマッタと言う顔をして口をつむいだ。
私の考えにひかかったのだ。私はこのチャンスを逃しはしない。
「内密処理した?何をです。私は噂で聞いた事を言っただけ、確信は無かったのですが…これで確信がとれました。審議長殿。」と私は審議長殿の判断を仰いだ。
「『NEWコスモ』の議員、今の言葉は聞き捨てなりませんな。」と審議長殿は『NEWコスモ』の議員を睨み見て言った。
「内密処理された情報を後日、提出して下さい。偽造は重罪ですからな。」
これで、私の考えはまずは上手くいった。あとは、「今回の議題を可決するか、否決するかは、後日送ります要求書を受け入れかいなかできめますゆえに、よろしくお願いします。」と言い議会を後にした。


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