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『僕と私の世界の形』
僕と私の世界の形 9話−2
数十分後…
叔父上の屋敷前にいた。
どれくらいぶりに来たのだろう…と私は思いつつ、ベルを鳴らした。
カチャッ。
と鍵の開く音がして、「おかえりなさい、千。」と叔父上が笑顔で扉を開けた。
私は「只今、帰りました。」と気まずそんな顔をして言った。
「クリスちゃん、いらっしゃい。」と私の後ろにいたクリスに気付き叔父上は言い、「さぁ、お入りなさい。」と優しく言ってくれた。
私が何も言わずにいる事にクリスが気づき、「はい、お邪魔します。」と言い、私の手を引き屋敷に入った。
叔父上は、その様子を見るとクスッと笑い、リビングへ向かっていった。

屋敷の中は、私が居た時と差ほど変わっていなかった。
10年前、叔父上とレイが海岸で倒れている私を見つけくれた時から、この屋敷が私の帰る家になった。
しかし、4、5年前に叔父上が体調を崩してから、私は家に居ると落ち着かなくなり、家を出た。
1年のほとんどを海で暮らし、時折、家に帰って来る。
そんな生活を今はしている。

「あっ、おかえりなさい。」と二階から下りてきたレイが言い、レイの後ろから光源が顔をだし。
「屋敷に帰って来るなんて、何年ぶりだ?」と、からかう様に光源は言った。

「多分、1年と5ヶ月ぶり位ですね。」とレイはさらりと言った。
「知らぬ。」と私は言い、一階のリビングに向かった。

リビングでは、叔父上がお茶の用意をしていた。
「叔父上、替わります。座ってて下さい。」と言い、私はお茶の用意をした。

紅茶はダージリン、茶菓子はチョコレートとビスケット。
木製の丸テーブルをかこいながら、お昼前のひとときが過ぎていった。

ふと、時計に目がいく、時計の針が12時を指そうとしていた。
今朝は、珈琲とクラッカーしか口にしていない。
私はそれで足りるのだが…クリスはそろそろ空腹になるころだろう。
「そろそろ、お昼になりますが‥叔父上、どうなさいます?」と私は叔父上に聞いてみた。
「あぁ、もうそんな時間…」と叔父上は時計を見た。
「そろそろ、皆、お腹が空く頃かと‥」と私が言うと、
「そうですね。千に任せます。」と叔父上は言い紅茶を一口飲んだ。
「そういや、今日はあんまり食ってないから腹減った〜。」と光源が、お腹を抱えて言うと…
「光源の胃はブラックホールですから、どんなに食べても変わりませよ。」とレイはクスッと笑いながら言った。
「何か簡単な物を作る、待っておれ。」と言い、私はキッチンへ向かった。
「手伝いますよ。」と言いレイが来てくれた。
「手っ取り早く、パスタでよいか?」と私はレイに聞くと、
「そうですね。あと、今日は光源が持ってきてくれた果物がありますから、フルーツサンドも作りますか。」とすんなり返事が返って来た。
レイはフルーツサンド用のクリームを泡立て始めた。
言わなくても、レイには私の行動が解るらしい。私が動きやすい様にレイは動きを合わせてくれる。
行動だけではない、レイは私の事を、私以上に知っている気がする。
私がトマトを取ろうと振り返ると、
「ユキ、今日は可愛いですね。」とレイは突然言い私をマジマジと見た。
白黒以外の服を着ているのが、意外だったのであろう。
「クリスに無理やり着させられたのじゃ。」と、私がクルッと背を向けて言うと。
「似合ってますよ。」と言い、フルーツを切り始めた。
私は黙りながらトマトを手早く切り、カラメル色になった玉ねぎと、香ばしく焼かれたベーコンの入ったフライパンにトマトを入れ塩コショウした。
ゆで上がったパスタを、そのフライパンに入れ絡めた。
レイが棚から皿を出してくれた。私が皿にパスタを盛り付けている間に、レイは手際よくフルーツサンドを切り、盛り付けた。
ほぼ同時に出来上がった。
レイがパスタとフルーツサンドを運んでいる間に、私はスープを盛り付けた。
レイは戻って来るとスープを運んでくれた。
私が食器を運び、昼食の用意が整った。

「いただきます。」とクリスと光源が同時に言い、食事が始まった。
「美味しい」とクリスは嬉しそうに言う。
光源も「美味い」と言い、勢いよく食べていた。

大勢で食べる食事は楽しい…と思い。
私はフルーツサンドを食べた。
「美味じゃ」と言葉がこぼれた。

賑やかな昼食は、ゆっくりと過ぎていった。

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あきゅろす。
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