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04




数ある問題が片付くまでは、素直にエクソシストとしての任務に集中しよう。
そう決めた矢先に言い渡された仕事は、いつものように奇怪の調査と解決だった(イコール、イノセンスの回収だ)。

『悪い、急用じゃないなら後にして。明日までに記録しなきゃなんない本があるんさ』

任務に出る前にラビの部屋を訪ねると、閉ざされた扉の向こうからここ数日間のうちに幾度となく聞いた台詞が返ってきた。
たまたまその部屋の近くを通ったから寄っただけで、特に用があったわけではなかったので了承したのだが、何となく寂しさに似たものを感じる。
最近、ラビとまともに顔を合わせていない。
廊下や食堂などで会った時も、タイミングが悪いのか何なのか、彼は自身の用事を理由にして早々に退散してしまうのだ。

(……これは、もしかして)

「あら。どうしたの、クラちゃん」

何か考え事?
同じ任務にあたる事になった今回の相棒、イルミナの問いに、んー、と曖昧に返す。
もちろん彼女はそれでは納得しないので、若干の間の後に結局告白する事になるのだが。

「いやね、最近ラビに避けられてる気がするなーって」

「ラビ君に?」

首を傾げた彼女に頷いてみせると、イルミナは暫し目を瞬かせた後に腕を組んで考え込むような体勢を取る。

「…突っつき過ぎちゃったかしら」

「え、何?」

「ううん、何でもないわ」

よく聞き取れなかった呟きに問い返せば、彼女は手を振って否定した。
そしてもう一方の手に握った剣──緋焔を構えると、それより、と続けて視線を自身の正面に向ける。

「今はコレを片付ける事に集中しましょうか」

「りょーかい」

クライサもまたイノセンスを発動した腕を構えて、自分達を囲むアクマに笑みを浮かべた。

「あと…ざっと百体?」

「あら、そんなにいるの?」

「まったく、数撃ちゃ当たるってわけじゃないのにね」

特に、あたし達には。
言うと同時に、クライサの足元から大量の氷の刃が剣山のように生え、彼女らを囲んだアクマを貫いた。
さらに、イルミナが振るった剣から生まれた炎が、氷の刃から逃れた数十体を焼き払う。
ほんの僅か残ったアクマに、ニヤリと笑みを浮かべた。

「さーて、アンタ達はどんな死に方がいい?」

「選択肢はいくつ?」

「イルミナさんに斬られるか、焼かれるか、あたしにぶっ壊されるか」

「クラちゃんの壊し方に選択肢はないのね…」

「凍らせて砕くか、氷で貫くか…まぁ基本的にはノリだから。イルミナさんだって基本は焼くでしょ?」

「あら、焼き方にも色々あるのよ?ミディアムとかウェルダンとか」

「さいですか」






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