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周囲にアクマがいたり、彼の意思で操作しない限りは右眼と見た目変わらないのだが。
その眼は、アクマの魂を現実に写し出し、半径数百メートルのアクマの存在を察知し、人混みに隠れたその姿を人間と区別出来る。

アクマと戦わなければならないエクソシストにとっては、彼のそれは便利な眼だと思われる。
だが、

右眼では白の世界を
左眼では黒の世界を

両眼で反転した世界を見る事を、クライサは望めない。

その眼を活用し、戦場に立っている彼は、なんて

(なんて、強いんだろう)


「僕はイノセンスを回収してきます。クライサと神田は…」

「アクマ共を全滅させるぜ。足引っ張るなよ、チビ」

「ご心配なく」

アレンはイノセンスの場所を知る探索部隊の元へ向かい、クライサと神田はこちらへ向かってくるアクマの群れを迎え撃つ。

「クライサ、気をつけてくださいね。あまり無理はしないように」

「わかってる。ありがとね、アレン」

先に駆け出したアレンを見送り、クライサは大きな溜め息をついた。
その横には、鞘から刀を抜いている神田。

「…行くぞ、六幻」

二本の指でなぞった刀身が、徐々に色を変えていく。
その眼は普段以上の鋭さを帯び、見えてきた敵の群れに向けられる。

「ミスしても助けねェからな」

「アンタ、サポートの意味わかってる?」

「あんな雑魚共相手に助けが必要なようなら、エクソシストになる資格はねェってんだよ」

「…ご忠告どうも」

彼女らの姿を発見したアクマの群れが、一斉に襲いかかってきた。
レベル1だけでなくレベル2のものも数体いる。
だが神田は怯む事なく、刀を構えそこに飛び込んでいった。


(さて、)

初仕事だ。
せっかくだし、目一杯暴れてやろうか。

右腕を胸元まで上げ、銀色に輝く手首の腕輪に目を落とす。
アクマは目前まで迫っている。

さあ、行こうか。

「イノセンス、発動…!」




【H19/06/13】

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あきゅろす。
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