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01




前を歩く三人の男に続いていた少女が、ふと足を止めた。

「どーした?クラ」

「ん……」

何でもない、と続けはしたが

(やな、予感)

少女の表情は、依然として固いままだった。





02:予感の的中





ヨーロッパのとある都市。
そこにイノセンスがあるとの情報を受けたラビは、師である老人──ブックマンと共にこの地を訪れた。
彼らを先導するのは、イノセンスのある場所を調査していた探索部隊(ファインダー)の男。
そんな三人に、何故エクソシストでも探索部隊でもないクライサがついて来たのかというと、実はちゃんとした理由がある。

この街の図書館が大きなものだからだ。
教団本部にある資料室よりも、多くの蔵書量を誇る図書館が、この街にある。
そこでなら、クライサが元の世界に帰る術を見つけられるかもしれない。
そう判断したコムイが、彼女を一緒に連れて行くよう、ラビに頼んだというわけだ。

「では、クラ嬢」

「オレ達が戻ってくるまで、ここでいい子で待ってるさ」

「子供扱いすんな?」

図書館の出入口で、クライサの頭を撫でながら言ったラビの言葉に、彼女は眉間に皺を刻む。
彼らの言う事自体に不満があるわけではないが、ラビの彼女に対する態度に腹が立つ。

「多分すぐ戻って来れると思うから、それまでは大人しくしてろよ?」

「………うん」

元の世界にいた頃なら、そんな言いつけは無視して自ら事件に首を突っ込んでいた。
戦う力があったからだ。
自信があったからだ。

(でも)

今の自分には、力が、無い。
錬金術が使えても、アクマに通用する力が無い。
危険だから、戦えないのだから、戦場に出てくるな。
そのラビの言葉に、反論すら出来ない。
反抗する意思すら生まれない。

(悔しい、な)






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あきゅろす。
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