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05




司令室。
本棚に囲まれたその部屋の床は、大量の書類に埋め尽されていた。
その中央には、床同様書類や本で埋められた机。
そしてそれに向き合うように設置された椅子に腰掛ける、一人の青年。

「まだアクマの出現は報告されていないけど、ブックマンと一緒に出来るだけ迅速にイノセンスを保護してほしい」

机のそばに立つコムイの言葉に、青年──ラビは頷く。
手にした資料を一読すると、席を立ち出入口に向かった。

「あ、そうそう」

「何さ?」

何かを付け足すような彼の声。
振り返ったラビの視線の先には、笑みを浮かべたコムイ。
その笑顔になんとなく嫌な予感がして、彼は眉を寄せた。

「目的の街に、クライサちゃんを連れて行ってあげてくれない?」

「…クラを?」




【H19/02/24】

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