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02





「クライサ!」

「あ、ラビ」

与えられた自室を出て廊下を歩いていると、背後から声をかけられた。
振り返れば、右目を眼帯で隠した赤髪の青年がこちらに歩いてくる。
路頭に迷っていたクライサを拾った張本人、ラビである。

「どっか行くの?仕事?」

「違う違う、食堂に昼飯食いに行くんさ。クラも行くか?」

「行く」

気分で部屋を出たものの特に行く先も決めていなかったので、彼の目的地に合わせて進む方向を変える。そのまま青年と共に、クライサは足を進め始めた。

クライサが教団に保護される事になって一週間が経った。
指揮官である科学班室長のコムイやその部下にあたるリーバー達、エクソシストのうち何人かとも挨拶を交わして。
コムイやリーバー達とは普通にお喋りが出来る程には親しくなった(こういう時、自身の順応性の高さには感謝したくなる)。

その中でも現在一番親しくしているのが彼、ラビである。
こちらの世界で初めて会ったから、彼に拾ってもらったから、という理由もあるが、その親しみやすい性格が一番の理由かもしれない。
何かと気が合うような気がするのだ。

「お。ラビ、あそこにいるの、アレンじゃない?」

「あーホントさ。おーい、アレンー」

食堂の出入口付近まで来ると、前方に白髪の少年の後ろ姿を確認した。
ラビが声をかければ、少年がこちらに振り返る。

「あ、こんにちは、クライサ」

ニコリと笑った少年の名はアレン・ウォーカー。
ラビと同じエクソシストで、教団の一員だ。
本人に確認はしていないが、見たところ年齢はクライサと同じくらいだろう。

「アレン!?クラには挨拶するくせに、オレは無視!?」

「あれ、ラビいたんですか?」

「Σ酷っ!!」

爽やかな笑顔のまま、言葉でラビを突き落とす少年。
クライサはただそれを見守るだけで、別段止めるような事はない。
この一週間で、この光景が日常茶飯事である事は理解済みなのだ。






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あきゅろす。
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