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「ではお疲れでしょう。もし先を急ぐ旅でなければ、今日はここにお泊まり下さい。隣の村への案内は明日、必ず致します」

ミスティの事を調べたかったクライサ達にとって、この提案は好都合この上ない。
本当はこっそり忍び込もうかとも考えていたのだが、泊まらせてもらえるというのなら、遠慮なくその好意に甘えるとしよう。

「この屋敷には、私と使用人二人しか住んでいませんから、空き部屋はたくさんあります。お好きな部屋をお使いになって下さい」

「ありがとう!」

「お言葉に甘えさせてもらうさ」

「助かる」


四階建ての屋敷のうち、主であるミスティの部屋は最上階、使用人達の部屋は三階にあるらしい。
クライサ達は二階の客間をそれぞれ一部屋ずつ借り、荷物を置いてから一度ラビの部屋へと集まった。

「さて、どうする?」

「とりあえず、あの主人が本当に不老不死かを確認しないとな」

とは言うものの、どうやってそんな事を調べれば良いのだろうか。
本人に直接『あなた不老不死ですか?』なんて尋ねるわけにはいかないし、使用人達も同様だ。

「…まずは屋敷内を調べてみようか」

手がかりがあるとは正直思えないが、何もしないで明日が来るのを待つわけにもいかない。
核心まで迫れなくても、使用人やミスティから話を聞く、というのも一つの手だろう。

「はやまるなよ」

「わかってるよ。神田の方こそ、途中で諦めたりしないでよね」

クライサは四階を、ラビは三階を、神田は二階をそれぞれ分かれて調べる事にする。
収穫がある事を願って。

「おいチビ、俺の前をうろちょろするな。目障りだ」

「アンタがあたしの後にくっついてくるからいけないんでしょ。ついてこないでよ」

「(不安だ……)」






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