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03




「イノセンスの回収、無事済みましたよー…って、何してるんですか?二人とも」

アレンである。
自分の仕事を全うした彼が、彼のゴーレム、ティムキャンピーと共にクライサ達の元へ戻ってきたのだ。

「……別に」

「そうですか?」

未だに不機嫌そうな様子でクライサが返答し、神田が舌打ちと共に背を向ける。
アレンは不思議そうに首を傾げたが、特に気に留めた様子もなく再び口を開いた。

「どうでした?初めての任務は」

「楽だったよ。初めてにしてはスムーズにアクマを破壊出来たし、問題も特に無かった」

「良かった。それなら安心ですね」

ニッコリと笑ったアレンに、クライサもまた屈託のない笑みを返す。
任務を終え駅周辺に戻ってきた探索部隊達と言葉を交わしながら、神田がチラリと彼女らを見、小さく舌打ちをした。






「そういえば、クライサの対アクマ武器ってどんなのなんですか?」

教団本部へ戻るため、町を後にし汽車に乗ったクライサ達。
一等車両のボックス席で、アレンが隣に座る少女に尋ねた。
向かいの席で、神田も彼女へ目を向ける。

「ああ…コレ?」

クライサは右腕を持ち上げ、その手首に通された腕輪を彼らに見せる。
銀色の身に、紅い紋様を彫られた腕輪。

「氷釧(コールド・ブレス)。それがあたしの相棒の名前」

その名を告げるのと同時に、目を伏せイノセンスを発動する。
腕輪が淡い光を放ち、先程同様光が赤い鋼鉄になって腕に包帯状に絡みついた。
重さは無い。
重くない、のではなく、重さを感じないのだ。

「へぇー…接近戦タイプに見えますけど…」

「確かにあたしは接近戦の方が得意だけどね、氷釧はそんな事ないよ。中距離にも遠距離にも対応出来る…言わばオールラウンダーってやつかな」

先程アクマ達を倒した時のように、向かってくる弾丸を一瞬で凍らせたり、氷のナイフを作り出したりする事が出来る。
錬金術とは違い、代価は必要ない。
氷の錬金術師であるクライサにとって、これ以上適したイノセンスは無いだろう。






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あきゅろす。
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