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06




「──わかった。暫くはあたしがサポートするよ。それでいいんだね?」

今後すぐ、イルミナにはエクソシストとして任務についてもらう。
そのためのサポート係に、コムイはクライサを任命した。
まあ、妥当というか当然の選択だろう。
クライサは既に一人のエクソシストとして十分な働きが出来るようになっているし、サポート対象のイルミナとは長い付き合いだ。
親しい者と行動した方が何かとやりやすい事もあるだろうし、精神的にも安定するだろう。

「うん。じゃあお願いするよ。明日か明後日にでも任務に行ってもらう予定だから、休養はしっかりとってね」

「またー?あたし、今日任務から帰ってきたばっかなんだけど」

「…任務と言えば」

表情の変化に気付いてクライサは口を噤んだ。
書類から視線を上げ、こちらを見るコムイの顔は険しい。

「探索部隊から聞いたよ。ノアと接触したんだって?」

「………あ」

そういえばそうだった。
イルミナとの再会ですっかり忘れていたが、ノアの変態男に会ったばかりだったのだ。

「無事で良かったけど…」

「なんで逃げなかったんだって言うんでしょ?しょうがないって」

あの時、クライサまで探索部隊と同じように逃げていたら、彼らはティキに殺されていた。
第一、

「対峙してみてよくわかったよ。あれは、逃げようと思って逃げられる相手じゃない」

本気でぶつかり合ったわけではないから、彼の力がどれほどのものか正確にはわからない。
それでも、無傷で倒せる相手でない事だけは理解出来た。

「それに、敵に背中を向けるのって、あたし好きじゃないんだよね」

エクソシストだからノアに臆すわけにはいかない、なんて言わない。
そんなくくりなど関係ない。
たとえ相手が何者だろうと、ナメられたままで終わるわけにはいかないのだ。

「あのノアにも気に入られちゃったみたいだし…また会う事もあるんじゃないかな」

「な…っ」

「そんな顔しないでよ。あくまであたしの目的は元の世界に帰る事だから、ノアにだって殺されたりはしないから」

話は終わりだよね?
返答を待たずに席を立ち、扉へと足を向ける。
コムイは何か言いたそうにしていたが、結局言葉にはならないまま少女は部屋を後にした。




【H21/03/22】

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あきゅろす。
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