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03




「イノセンス…かなぁ」

「おそらくな」

「寄生型のイノセンスを体内に所持してて、10歳の誕生日の時にどうしてか発動した…ってとこだろうな」

どうやら、彼女のイノセンスは200年以上も発動しっぱなしの状態のようだ。
不老不死以外にも能力があるのか、アクマと戦う力があるのかは不明だが、コムイ始め科学班の面々に調べてもらえば何かわかるだろう。

(………あれ?)

「ねえ、ミスティ。ご両親が流行り病で亡くなった時、残ってた使用人も辞めさせたって言ったよね?」

「ええ、皆故郷へ帰っていきました」

ミスティには両親の他に親族はいなかったから、使用人が去ってからは、屋敷で暮らしていたのは彼女一人だった。
そこで、疑問に思った。

「アルバートとラミアンは、どうしてここで働いてるの?」

話を聞いた限りでは、ミスティは使用人を必要としていなかったようだから、わざわざ雇ったわけではないだろう。
そして、彼女の親族でもない。
ならアルバート達は、一体何故ここにいるのだろうか。

「ラミアンは三年前、アルバートは二年前にここに来ました」

今から三年前、一日に一度の散歩中、森の中で傷だらけで倒れている女性を見つけた。
それがラミアンだ。
屋敷へ連れ帰って傷の手当てをしたところ、目を覚ました彼女は、記憶を失っていた。
ミスティによって名前を与えられたラミアンは、この屋敷で彼女のために働きたいと申し出た。

その一年後、ここで働かせて欲しいと、屋敷を若い男性が訪ねた。
これがアルバートだ。
そうして三人で暮らすようになったわけだが。

「……怪しいな」

「ああ。どうも納得いかないさ」

神田やラビが疑っているのは、アルバートだ。
記憶を失っているラミアンはいいとして、彼がここにやってきた理由がわからない。
ハーミット家の屋敷で働きたいがために、わざわざミスティを訪ねたのか?
どうも、彼は計画的にここにやって来たように思える。

「あの男、アクマなんじゃねぇか?ハーミットのイノセンスを狙ってるんだろ」

「そうかなぁ…だったら二年も待ってないで、さっさと奪っちゃうと思うけど」






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あきゅろす。
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