01 何者にも心を許さず 常に目的を最優先に 10:同類の眼 「元気が無い?クライサが?」 黒の教団本部。 食堂でいつものように大量の料理を胃袋に収めていたアレンは、隣に座る少女を見た。 リナリーは口から離したフォークを皿の上に置いてから、少年と目を合わせる。 「そうなの。この間任務から帰ってきてから、ずっと塞ぎ込んでるみたいで…」 神田やラビに尋ねても、知らないの一点張り。 放っておけとも言われたが、クライサの友人として、そういうわけにもいかない。 「どうしたらいいと思う?」 「うーん…」 何があったのか、根掘り葉掘り聞くのは避けた方がいいだろう。 彼女がどんなものを見たのか、聞いたのかは知らないが、だからこそ、変に傷を抉るような真似はするべきじゃない。 かといって、彼女がいつまでも塞ぎ込んでいては、こっちの調子が狂う。 やはり、クライサには笑顔が一番似合うから。 「それならやっぱり、さりげなく元気づけてあげるのがいいんじゃないかしら」 「ミランダ」 リナリーの向かいに腰掛けるミランダの言葉に、アレンは何かを思い付いたように手を打った。 彼に注目するリナリーとミランダ。 少年は自信満々に口を開く。 「パーティーを開きましょう!」 [次へ#] |