01
おはよーございます、と入っていくとぽぷらがおっはよー!と抱きついてきた。今日も可愛いなぁ。これ本当に一つ下なのかな。小学生みたい、なんて思いながらもふもふの髪の毛をなでてやると見知った顔が奥から出てきた。相変わらず正反対の2人というかなんというか。
『あ、佐藤さん相馬さん。おはようございます。』
「おはよう名前ちゃん。気になってたんだけどなんでいつもそのワンピースなの?たまには制服とかみた、いっ!佐藤くん痛い!」
「なに堂々とセクハラしてんだ。」
「でも確かに名前ちゃんはいつも制服じゃないし何着かのワンピース着回してるよね。私も制服見たいかも。」
『家近いんで着替えてくるんです。どうせまた着替えるんですしワンピース楽じゃないですか。すぐ脱げて着れて。』
「もう、つまらないなぁ。でも俺は見ようと思えば私服なんていつでも見れるしね。まぁ、ワンピースも可愛いけど痛い佐藤くん!なんで今蹴られたの!?」
ぎゃーぎゃー騒ぐ中更衣室に逃げていく。どうせ行き来しかきないのに力をいれてどうするんだか、…でも佐藤さんには可愛いって思われたいかも。はぁ、片思いは楽しいがつらいなぁ。でも付き合いたい訳じゃないんだよなぁ。憧れ?付き合ったら冷めそうだしな私。こんなもんか、なんて思いそう。別に言うつもりもないしいいか、と更衣室からでる。
「名前ちゃーん。新人さんが入ったから紹介するね。」
『あ、うん。そういえばぽぷらが店長に言われて探して来たんだよね。見つかったんだ。よかったねぇ。私も探したけど役に立たなくてごめん。』
「そんなことないよ!本当に見つかってよかったー。きてきて、こちら今日から働く、」
「あ、初めまして小鳥遊宗太です。可愛い先輩に誘われてホールとして可愛い先輩に仕事を教わってます。先輩今日ちっちゃくて可愛い!」
『…随時可愛いがられてるね。勧誘してきたって言ってたよね?ぽぷらに一目惚れ?なかなかやるなぁ、ぼぷらも。』
「ち、違うよ名前ちゃん!かたなし君は小さいものが好きで、私の事も小さい事間違えて。ちっちゃくないよ!」
『え、たかなし、でしょ?』
「うん、かたなしくん!」
『あー…。まぁ、いいや。私はキッチン担当名字名前です。高校3年生、キッチンは女子1人しかいないんだけど。まぁ、適当に頑張ってます。とりあえず一緒のバイトなんだしよろしくね。』
「(やる気があんまり感じないがなんか今まで一番普通かも、)はい、よろしくお願いします。」
「名前ー、手伝えー。」
『あ、佐藤さん。今行きます。ホールの事はよくわからないけど聞きたい事あったら聞いて。それじゃあ頑張ってね。ぽぷらも。』
「うん!」
「いい人そうでまともそうです。」
「うん!名前ちゃんはいい子だよ!私が届かないとことってくれるしお客さんに小学生って苛められたら助けてくれるし!」
「…そうなんだ。」
キッチンに行けば佐藤さんがいて話しかける。いつも仕事分担を彼に聞いているのだ。油ものは俺がやるからそれ切ってくれ、と言われ返事をし包丁を握る。ここにきてからというもの料理がうまくなったなぁ、と思う。包丁さばきとか、調味料の入れ具合とか。
「ねぇ、名前ちゃん。小鳥遊くんに会った?彼ミニコンなんだって面白いよね。」
『ミニコン?』
「小さいものとか1人じゃ生きられないようなものが好きなんだとよ、ミジンコとか。」
『ミジンコ…、それはまた。まぁ、ここの店員って変わり者ばっかりですしいいんじゃないですか。まともなのって佐藤さん位です。』
「俺もまともなの名前しかいないと思ってる。」
「えー、俺は?」
「ないな。」
『一番あり得ないと思います。』
「酷いなー。今日も2人ともクールなんだから。そんな感じだから恋が実らな、##namme_1##ちゃん包丁は危ないよ!」
『口じゃなくて手を動かしてください。』
「そうだぞ、相馬。」
「はーい。」
切った野菜と佐藤さんからもらったフライを皿に盛り付ける。相馬さんを邪魔です、とあしらう。なにかしらにつけ彼はちょっかいを出してくる。そのたびに佐藤さんが止めてくれるのはいいがそのせいで仕事が止まるのだ。もう本当に面倒な時は私も口が悪くなり最悪足が出る。それでも凝りない相馬さんはSにみえてMなのかも。カウンターにできた料理をおいて通りかかった小鳥遊に声をかける。
『料理できたよー、5番卓ー。』
「…はーい、行ってきます、」
『…なんか小鳥遊くん疲れてない。なんかあったの?さっきはそうでもなかったけど。』
「そういや最近あいつずっとシフト入ってないか?…そういや名前も入ってるよな。」
『あぁ、本当は店長に休んでもいいって言われてるんですけどね。稼ぎたいし誰かさんが働かないんで佐藤さんが大変になるじゃないですか、だからうわっ。』
「お前本当にいい子だな、偉い偉い。お前のおかげで助かってる。本当に誰かのせいで名前がなぁ。」
『本当に誰かさんのせいで。』
「はい、仕事しますからそんな視線を送らないでください。本当に名前ちゃんは佐藤くんには甘いよなぁ。で、小鳥遊くんだけど店長の年の事に触れちゃったらしいよ。」
『それはそれは。当たられてる訳ね。なんで知ってるかとかは聞かないでおくよ。可哀想に小鳥遊くん。』
「そうだな。」
私の頭を撫でている佐藤さんの向こうに小鳥遊くんが見えた。うわぁ、疲れてる顔。なにかしてあげれればいいが生憎ぽぷらみたいな可愛い癒しの外見はない。ホールをかわってあげる事も出来ないしまかないは佐藤さんが作ってくれている。うーん、小さいものが好きなんだよね。ちょっとでも癒やしになれば、と思い手が空いたので更衣室から携帯を取ってくる。
『小鳥遊くん、最近シフト連続らしいね。小さいもの好きなんだよね、ちょっと癒やしになれば、はい。』
「…!これ!」
『うちのペットのハリネズミの写メ。可愛いでしょ。結構飼ってる人少なくて珍しがられるんだ。まだ手乗りサイズで、』
「今度見に行っていいですか!」
『う、うん。そんなに食いつくとは。』
「ありがとうございます名字さん。なんだか頑張れそうです!あ、あとこの写メください!」
『そっか、よかった。じゃあ後で赤外線で送るね。「お前変なもん飼ってんな。」変じゃないですよ、可愛いです。寒さが苦手で北海道で飼うの大変なんですから。…なんで頭撫でるんですか。』
「お前のが可愛い可愛い。」
『っ!』
「そこ仕事してよねー。」
「『お前には言われたくない。』」
「酷い!」
今日も佐藤さんは優しくてクールで相馬さんは仕事せず。ぽぷらは可愛くて新人さんが入ってきてまたバイトが楽しくなりそうです。キッチンにも誰かはいらないかなぁ、なんて思ったけど後ろでいつも通りの佐藤さんと相馬さんを見て無理だな、と思った。
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