空涙の裏側
第五話〜歓迎会と宴会の違いを教えて〜
あれから近藤さんはすぐに治療室へ運ばれた。
他の人の話によるといつもあんな感じらしい。
つまりストーカーの常習犯…と。
……大丈夫かこの警察署。
まあそんな事なんて気にせず私は隊服に着替えていざ歓迎会へ☆
「宴会なんて見ててもつまらないですし、パソコンいじってますね」
かなり機嫌よくFDはパソコンにデータを移した。
まあ歓迎会にいきますか。
私、お酒は強い方なんですよね。
襖を開けると。
あー、隊士の皆さんもうできあがってました。
っていうか近藤さん復活してる…早っ!
もうコレ歓迎会じゃなくて確かに宴会だな。
別に良いけど。
とりあえず私もお酒飲もうかな。
でも全員できあがってるわけじゃないらしい。
「皆さんが寝た後布団かけたり色々としなければいけないんですよ」
大変だな、山崎さん。お疲れ様。
「佐樹。こっち来なせィ」
沖田さんに呼ばれた。ってかせめて総隊長つけてほしい。
我侭かねコレ。
ま、宴会中だしいっか。無礼講ー無礼講ー。
ズイッ
差し出されたのは『鬼嫁』というアルコール強めのお酒。
コレ結構高いと思うんですけど…。
『いいんですか?私結構お酒強い方ですよ?』
「そうなんですかィ。じゃあ 飲み比べしやせんかィ」
『分かりました。受けて立ちましょう』
その言葉と同時に周りの隊士がワッと集まってきた。
どうやらこんな展開を待っていたらしい。
にしても私に対して「お酒に弱そう」ってイメージ持ってる人がこの中にどのくらいいるのか気になるよね。
***
「強いですねィ。驚きやした」
そういった沖田さんと私の周りには
酒瓶、酒瓶、酒瓶、隊士、酒瓶、隊士、酒瓶、酒瓶、酒瓶、隊士、酒瓶、酒瓶・・・・
『沖田さんも十分強いじゃないですか』
私がそういったら 沖田さんはちょっと不満そうな顔になった。
「総悟、でいいでさァ」
どうやら苗字呼びが嫌だったらしい。
ガキか。子供か。思春期の男子か!!
なはははは!!
…あれ、私もしかして酔ってる!?
『これに 慣れちゃってますからね。休みの日には名前でよびますよ』
「そうですかィ」
「じゃあもう寝やす」
は?
ごろん。
沖田さんは 寝転がって数秒で寝てしまった。のび太くんには劣るスピードだったけど。
だってあいつ一秒掛からずになるんだよ、最早人間の域じゃないよ。
他の事があそこまで出来ないのも最早人間の域じゃないよ。
まあ普通ならとっくに酔っ払って寝ている時間だ。
すかさず山崎さんが沖田さんに毛布をかける。
…ってか寝顔天使だなオイ。
『お疲れ様です』
「はい、おつかれ様。あと起きてるのは副長ぐらいかな?俺はもう寝るよ」
山崎さんは土方さんに目礼するとその辺に横になって寝てしまった。
本っ当にお疲れ様です、山崎さん。
さっきまで走り回ってたからね;;
『…土方さん、酔ってますか?』
「ん?まだ酔ってねぇよ。俺がココに来たのはお前よりも後だしな」
そういえば居なかったような気がする。
『それまで仕事してたんですか?』
「よく分かったな。お前は酔ってねぇのか?」
『私は強い方ですから…。でもお酒とか関係なく眠たいんでもう寝ますね』
「ああ…。俺ももう寝る事にする」
ここで私と土方さんの会話は切れた。
今日は久しぶりに気配を気にする事無く寝れそうな気がする。
酒の力は偉大だと思う瞬間だよ…。
***
「佐樹、そろそろ起きたらどうですか?」
朝一番、FDの目覚ましコールで目が覚めた。
「おはようございます」
『おはよう。パソコンは気に入った?』
「まだまだです。これからいろんなプログラムを作って 最高のパソコンにしてみせますよ」
パソコンの電源が勝手についてFDが嬉々として喋り始める。
勝手に内側から電源付けられるように変えてるし…。
FDはこれから自分に合うようにこれからどんどんパソコンを高性能にしていくと思う。
雑魚寝したから 体が痛い。
他の隊士、というか私以外起きてもいないらしい。
周りには 酒瓶やゴミが散乱してます。
女中さんは皆、住み込みじゃなくて通ってるから今日早く来た人大変だな。
一応掃除やっときますか。
まずは転がってる酒瓶を集めて片付ける。
散乱している毛布や誰かの服、ゴミを直したり捨てたり。
お皿類を洗ったり皆さんの毛布をかけなおしたり。
…かなり綺麗になった。
頑張ったな、私。
ってことで自室で二度寝だ!!
私は睡眠が大好きだ、愛してる!!
睡眠、ラヴ!!
ついでに食事もラヴ!!
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