[携帯モード] [URL送信]

空涙の裏側
第二話〜第一印象は何より大切〜



『真撰組 ですか?』

はっきり言って聞いた事があるぐらい。
たしか武装が許されてる警察のことだったはずだったけど。

「評判は悪いみたいですよ。まあ佐樹なら何があっても大丈夫でしょうが。」

「そう真撰組。そこで働いてほしい。あと男世帯だからね。不自由かもしんないけど…いい?」

『構いませんけど?』
「男所帯だからって佐樹が意見変えるとは思いませんけどね;」

…無視を決め込む。
数日でコロッと態度を変えるFDにそれじゃモテないと言ってやろうとしたが余裕で10倍返しされそうなので止めた。

「そう?それじゃ さっそく…」


***



そのままいわれるがままにやってきました真撰組。
松平さんは(やっぱり)お偉いさんみたいですぐに通された。
あのさ、あんな意見が易々と通っちゃったら駄目だと思うんだけど今。

松平さんは「佐樹ちゃんちょっと待ってて。おじさんが呼んだら入ってきてね〜」 と言って 
大きな部屋に入ってった。

どうやらその部屋に隊士が全員集まっているらしい。事前に電話してたからその時に集合させたんだと思うけど。

「…に……は…い………らだ!…な……よ」

何をいってるんだろ?
聞こうと思えば聴覚かなりいいし聞けるけどこういうのは
聞かない方がいいって相場がきまってるからな…。

パンパンッ!!

…私は何も聞いておりません。
…銃声なんて聞いてないからね?


「……というわけで 新入隊士だ!入ってきてくれ!」


別に緊張してるわけじゃないけど女隊士って受け入れられるかな?
ああやっぱ緊張してきたじゃん。

ガラッ

ジイィー(視線が痛い)

「佐樹、下なんて向いてお腹すいたんですか?ww」

ここで皮肉。今気付いたけどどうやらFD、自分の関与しないところでコトがどんどん進んでいくのが気に食わないっぽい…?
…まあ予想だけど。FDの思考回路を把握する事なんて不可能だった。無視しよう。うん。

『このたび真撰組に入隊させていただくことになりました森崎佐樹です。これからよろしくお願いいたします』

顔を上げて笑った。
すっごい緊張したけどね。誰だって緊張すると思うんだけどね。
だってね、シーンとしてるんだよ、なのに視線だけはひしひしと感じるんだよ、怖ぇよ。
一拍の間を置いてその静寂は打ち消されたけど。

オオオオオオォォォォォォォォォ

イェェェェェェァ

初の女隊士だァァァァァ

…隣にいた瞳孔開いてる人が無言でバズーカを構えた。
嬉しいけどね。隊士の皆さんご愁傷様です。
皆私の顔綺麗とか言ってくれるし嬉しいんだけどどうも自分の顔好きになれないんだよね。
とか心の中で合掌した後、私は安全地帯へ避難した。      

(佐樹は自分の容姿の良さに気付いていながらもどうでもいいと割り切っちゃってますからね。むしろそれを利用してくれたら私は安心できるんですが)
(というか本当、男に対して何の気持ちもないんですよね、だから毎回私が苦労してるんですよね。世話係じゃないのに私は)

ドッカーン 

みんな髪の毛ボサボサ。ってかアフロ。
むしろどんなバズーカを使ったらこうなるのか。
栗毛の人だけかわせたらしい。私は安全地帯で高見の見物。ちょっと罪悪感が…。

「土方さん俺にバズーカ当てようなんざ100年早いでさぁ。というわけで死ね土方」と栗毛くん。
「総悟ぉぉ 表出て刀抜けやコラァァ」と瞳孔さん。

当たり前のように刀抜いて構えてるんですけどこれ恒例行事とかじゃないよね?

「なかなかの迫力ですね。紅樹には及びませんが。」
『そういうこといちいちいわなくても聞こえてるのは私だけだよFD』

そんなやり取りをしている間に第三者…と言っていいのか分からないけどおそらく高位のゴr…人なんだろう人が介入していた。

「ちょっと 二人とも今は駄目だっt…ぐぉっ」

ああゴリラさん二人に吹っ飛ばされたよ。
いいのかこれ。

「佐樹、 ここでこれ以上暴れられたら90%以上の確率でこの部屋は壊れます。止めたら止めたで注目を集めそうですが。」
『そう?恒例行事なら良さそうだけど…まあダーツしますか。…止めてくださいっ…と、』

さい のところで月桜を二人の間に投げた。
いい感じに間にささったな。おそらく50点getできるぐらい真中だった。
自分で言うのもなんだけど。

「「・・・・・・」」

『どうかしました?』

みんな固まってるんですけど・・・
私何かした?もしかして二人の喧嘩止めちゃ駄目だったの?
まさか、真選組の聖なる儀式として古くから伝わる副長と現代から更に100年後の副長とのただの喧嘩に見えてしまうけれどきちんと順序の通りに刀同士を交え神聖な舞を行っていてそれが中断されてしまった今ここに何が起こるか分からなくて今すぐ古来の召喚獣が召喚されるとか封印されていた凶悪な妖獣とかが目覚めたりとかそういうものだったりしたんだろうかそれならごめんなさいだねホント、うん。

「いまので佐樹ちゃんの凄さが分かったでしょ? おじさんの自慢の娘だから。んで役職だけど局長補佐とかで・・・」

職権乱用でこの人捕まえていいですか逮捕していいのかな?
娘って。局長補佐って。

『駄目に決まってます、給料的にたぶん嬉しいけどもっと下げてください』
「んじゃあ副長補佐で…」
『だからそんな高い役職は困るんですってば!!平隊士で!!』

他の隊士の皆さんに何言われるか分かったもんじゃない。
ドラマとかでよくあるじゃんそんなの。
どろっどろの、ほら、なんていうか忘れたけど。

「そんなの駄目。もったいない。それじゃあ総隊長で」

『そんな高いのは駄目だって何度も言ってるじゃ「これ以上言うなら逆に上げるよ?おじさんは」……やらせていただきます』

『でも・・・他の隊士の皆さんは納得しますでしょうか?新参者の私がそんな役職に就いてしまって・・・』

「心の中ではむっちゃ喜んでます」
『FD・・・うるさいよ?データ全消しバトルする?』
「勝てると思ってるんですか?」
『やたら無闇に回線切っていったらできるんじゃない?』
「……」
『え、駄目なの!?』

「大丈夫だよ。佐樹ちゃん…だったかな?ここは能力によって役職に就くカンジの仕組みだったはずだ。そうだろう?みんな?」
と ゴリラさん。

「はず」って。
「カンジ」って。
aboutすぎる気がするんですけど。

もちろんだァァ


あの二人を止めてくれてありがとおぉぉぉ


これからは 巻き添えを食らわずに済むぞォォ





そこに喰らいつくのかよ。

『でも…私そんな力ありませんよ?』
「大丈夫。佐樹ちゃんの能力はおじさんが保証してあげるから」

「そうだぞ!佐樹ちゃんはあの二人のじゃれあいを止めたんだ。十分凄いよ」

じゃれあい…?
部屋の壊れる心配をしなければいけないじゃれあいなんて 私この人生で始めて見ましたよ。

「確かに驚きやした。まさか止められるとは思ってなかったでさァ」
「俺も驚いたな。総悟との喧嘩を止められたのは」
「うわ 土方コノヤローと同じ感想だなんて吐き気がしまさァ」
「……」

土方さん?の顔には『我慢』という言葉が張り付いていた。
ってか僅かに口動いてたし。
ここに来て読唇術ってどうなの?読心術はともかく読唇術は使えるの?
設定的にどっちも使えないはずなんだけどヒロインがたった2話で成長していいの?

「それじゃあ 紹介は終わったしおじさん帰るわ。(あ、しばらくの仕事はバズーカで破壊される物とストーカー被害で壊される物を少なくする事とマヨネーズの消費量を減らす事だから。これやったらかなりお金節約できると思うし。くわしくはあとで分かるだろうから。)じゃあね総隊長」

そういって松平さんは帰っていった。

『あ ありがとうございました(?)』
『何の事だか分かる?FD』
「残念ながら住民登録などには その人の性格などは載っていないんです。もっと深い所まで探れば必ず出てくると思いますが・・・。さぐりますか?違法ですが」
『そんな痕跡FDともあろうもんが残しちゃうの?それにただの住民登録とか勝手に見るのも違法でしょ。ま、面倒くさいでしょ?どうせいつか分かるだろうし 別に良いよ』


「そういえば名前を言ってなかったな 俺は近藤勲。局長だ」

と ゴリラさん(やっぱ予想当たってたよ)

「俺は真撰組副長の沖田総悟でさァ。よろしく」

と 栗毛くん。

「違うだろうがァァ!お前は一番隊隊長だろうが副長は俺だ、土方十四朗。」

と 瞳孔さん。

「…ところでお前、刀使えるのか?」
『はい。自慢じゃないですが 剣術には自信があります』

刀使えなけりゃここで働くとは言わないんじゃなかろうかとかちょっと小馬鹿にした思いを抱きながら土方さんを見上げる。

「…そうか。それじゃあもう遅いし明日総悟と手合わせしてもらう。俺はまだ認めてねぇが総悟に勝ったら総隊長として認めてやる」

忘れてた。総隊長にされたんだったな。
なるほど、この人は認めてないわけね。
…ってあれ?常識人だ、この人。

『分かりました』
「じゃあ佐樹ちゃんを部屋へ案内してやってくれ。ザキ!」
「はい。分かりました局長」

なんか地味な人出てきた。
優しそうな人だけれども。

後ろから 「なんでザキなんだよ」「いいなぁ、ザキ」
とか言う声が 聞こえてくる。
そんなに女子が珍しいのか?
もしそうなら私にそんなの求めても期待はずれなんだけどね。

「じゃあ 案内しますね」

***


地味な人について部屋を出る。

「えっと…僕は山崎退。監察をやってるんだ」

ああ だからこの人はこんなに地味なのか。
え、地味って誉め言葉じゃないの?
今FDに言われてあ、ってなったんだけど。

『私は紹介された通り森崎佐樹。
ところで明日一番隊の隊長さんと戦うことになったんですけど強いんですか?』

聞かなくても一応わかるけどね。
あのひとは強い部類に入ると思う。
実際戦ってみないと分かんないけどさ。

「強いよ、隊長は。それからSだよ。ドがつくほどの」

いくら気が進まなくても 勝負で負けるつもりはない、と思う。
私気まぐれだし。うん。

『そっか』
「うん。僕なんて毎回被害にあってるよ…。あ、ここが……えっと なんて呼べばいい?」

『仕事の時は…総隊長で。負けるつもりなんてないからさ。オフのときはなんでもいいよ?』

「了解。ここが総隊長の部屋です。明日頑張ってくださいね?」
『ありがとう。おやすみ』

私は部屋に入った。必要最低限のものしか置いてなかったけど 私にはそれで十分。
布団を出して さっさと寝ることにした。


***



-----部屋に戻った後

山「いや〜綺麗な人でしたね」
近「お妙さんの次ぐらいにきれいだったな」

土「総悟 明日絶対勝てよ」
沖「わかってまさぁ。それから俺が勝ったあかつきには死んでくだせぃ土方さん」
土「何でお前はすぐそうなるんだよ」
土(・・・そういえばあいつ、走り回る俺達を傷つけず真ん中に刀ぶっ差しやがった・・・)
沖「普通そんなことできやせんよねィ」
土「ああ。…なんで考えてる事分かった?」
沖「わかりやすいんでさァ、土方さんは。そんなんじゃ副長は勤まりやせんぜィ」
土「お前にはもっと任せられねぇだろうが」


隊士「山崎さん、佐樹さんはどんな感じの人だったんですか」
山崎「え?ん〜仕事とプライベートをきっちり分ける人みたいだったよ。だからさ、総隊長って呼んでって」
隊士「そうですか。まあ…あの二人の被害が少なくなればいいですけど」
隊士「でも全ては沖田隊長に勝ったらの話ですけどね」
山崎「みんなはあの人が総隊長になるの賛成だよな?」
「「「「「そりゃああんな美人に反対なんt…」」」」」

後ろから鋭い副長の視線を感じて皆押し黙るが顔は楽しそうに笑っていた。

山崎「明日どうなるかなぁ」


[戻る]


第3回BLove小説漫画コンテスト開催中
無料HPエムペ!