オレンジ
>>4
「…聞いてるよ。…どうせヤりたいんだろ?…いいぜ。気が変わった。今から行く。」
どこかで『止めろ。』っていう自分がいる。
でも、『…しょうがねぇ。俺のせいじゃねぇ。』って諦めて、責任転換してる自分もいる。
……止められない…。
「じゃあな。」
返事も待たずに携帯をたたんでズボンのポッケにしまい込む。
そう。
あの頃と変わってないのは、心から想う相手がいながら、…身体は浮気を繰り返してるっていうこと。
だから。
だから、圭に「戻ってこい」っていう、そのたった一言が言えない。
俺にはそれをいう資格が無いだろうから…。
求めて止まない身体。
………心。
求めて止まないくせに、手に入れるとどうすればいいのか分からなくなるんだよな。
俺、バカだからさ。
どうしたらいいか……お前が教えてくれよ、…圭。
……お前じゃなきゃダメなんだよ…。
圭と辿った道を独り歩きながら、頬を掠める冷たい空気に苛ついて、足下にチラッとうつった石ころを蹴った。
ムシャクシャしてしょうがねぇのは、圭と別れてからずっとだ。
それを吐き出すように無茶苦茶に他人を抱いたのは言うまでもねぇな。
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