オレンジ
貴幸:>>1





夕暮れ。
俺のクラスから少し距離はあるけどそれでも反対側よりは近い階段。
使うのはいつもこの階段だ。

そしてこの階段に一番近い教室。

……圭のクラス。



廊下からでもわかるようにその教室は他と比べて静かだった。


早くHRが終わったのか…?


高校生ともなったら教室に残って喋るヤツはなかなかいない。
みんな、合コン行ったり、女と帰ってイチャこいたり。
はたまた部活に行って汗流したり。



その教室の前を通り過ぎる瞬間。
ふと視界に入った影。
一人分にしては、大きく感じた。


そして、分かってしまった。
誰かが、誰かに抱き締められているのを……。


それが、…誰なのかも。




…一体……、何が、起こってる?
何で…。

何で圭が、順也と抱き合ってんの?


……意味わかんねぇよ。

何で?


…え?



わけわかんな過ぎて頭が混乱して…。
自分の体重を支えるのも危うくなって、俺は力の抜ける足を叱咤して、その場から静かに去った。


この世のものじゃ無いものをみたような…そんな恐怖感が襲ってくる。


何でだ?

なんで…
なんでよりによって……。


なんで…順也なんだよ……?







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あきゅろす。
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