オレンジ
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おどけて笑う俺に順也は、難しい顔をして机から降りて、座ってる俺の前に跪くように屈む。


「なぁ…圭。何もないんだったら…何でお前、前みたいに笑わないんだよ?…ウザイくらいの幸せな報告、してこないんだよ?」


順也の言葉がいちいち胸に響く。
どうしてそんな哀しそうな目をして俺を見るの?

俺は…俺は…可哀想なんかじゃないよ。
そんな目で見ないでよ…。

別れるって言ったのは俺なんだから。


別れるって言ったのは、俺の意志なんだから…っ!


















「圭……」


気づいたら順也の力強い腕に抱き締められてて、優しく頭を撫でられてて…。


「圭…泣け。…思いっきり、泣けよ……。…そんで、…笑ってよ…」


切なく胸に響く順也の声が、熱くて熱くて…。
言葉に促されるままに涙を流してた。


「………ッ…」


順也、俺…泣いたよ?
たくさん泣いたんだ…。
でもね、…でもね?
消えてくれないんだよ。
貴幸が…。

俺の中から…。






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