オレンジ
>>3





それから俺たちは他愛ない話をした。


今日、なんで順也は部活がないのかとか、明日の予定とか。
今日は担任が風邪気味だったなぁとか…テレビ番組だとか。
今度どっか買い物に行こうっていう約束だったりとか…。







なのに…






「…なぁ…。圭さ。……最近、なんかあった?」



…どうして?
買い物の話してたじゃん。
なんでそんなところに話が行くの?
なんで…いきなりそんな事が気になったの?


なんで…?


「…なんで?」

「…最近さ…様子、変じゃんか。お前。」


小さな動揺と大きな疑問を悟られないように、平然を装う俺。
そんな俺にまっすぐ射抜くような視線を向けてくる順也に、意味もなく怯む。

確信付いた問いは、尋ねる、なんて感じじゃなくて…もはや、確認近かった。


鋭い順也のことだ…。
気づいてたんだろうなぁ。
俺と貴幸のことに。


「何かあったんだろ?…アイツと。」


敢えて名前を出さないのは、順也の優しさ。


「何言ってるの?何もないよ!それに、人に向かって変とか、失礼だから!俺、変じゃないしーっ!」

「………嘘吐け。圭は嘘吐くの下手くそなんだよ。…お前、最近いつも一人じゃねぇか。あんなに毎日一緒に帰ってたのに」






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あきゅろす。
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