オレンジ
圭:>>1





「圭―っ」


HRが終わって10分くらいたった頃。
教室にはもう夕日が差し込んでいて、そんな中佇んでたら背中にかかる声。
振り返ると、そこにはクラスメイトで友達の順也が笑顔でこっちによってくるところだった。


「順也」


俺のいる教卓の前の席までやってくる順也に俺も笑顔で名前を呼び返す。


「なぁにやってたんだ?」


ガタン、と小さな音を立てて順也が俺の隣の机に腰掛ける。


「別に?ちょっと時間潰してただけだよ」

「ふぅん?んじゃあ俺もここにいることにするわ。暇だし、圭の相手してやるよ!感謝しろー」

「はぁ?別にいらないんですけどー」


二人でふざけながらの会話は、何だかとても安心できて、さっきまでココロを覆ってた薄いけど黒いモヤが無くなったような気がした。

順也はきっとわかってたんだろうな、そのことに。

なんだかんだ言って順也は俺の一番の理解者だしね。


「ったく、圭は素直じゃねぇなぁ。まぁ、そこが可愛いんだけどなー!」


そういうと順也は俺の頭をくしゃくしゃと撫でて、髪をグチャグチャにした。


……おっきな手。
温かくて、乱暴だけど優しくて。





ドキッと、した。







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あきゅろす。
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