オレンジ
>>2





でも不思議と嫌いじゃねぇんだ。
それだけ圭が好きってキモチの表れだと思うから。



寝ても覚めても圭でいっぱいだ。


……もしかしたら…付き合ってた頃よりも、圭の事を考えてるかも知れねぇ。






そんなバカな話、ないだろって自分でも思う。

でも…付き合って傍に居たときより、ずっとずっと圭へのキモチが溢れてくる。






『大切なモノは失ってから、その大切さに気づく』






……本当にそうだと思う。





顔を真っ赤にして告ってきた時も。
廊下ですれ違う時に微笑んだ顔も。
学校帰りに自転車で二ケツした時に背中に感じる体温も。
俺の名前を呼ぶ嬉しそうな声も。





…俺の浮気をみて顔色が悪くなったときも。
逸らされて俯く切なそうな顔も。
セックスの時に感じた悲しいほどの熱い体温も。
俺の居ないところですすり泣く声も…。





今は…すべて思い出に変わっていくだけ。




こんなに、苦しい事ってない。
初めて、心から好きになった相手なのに…。
初めて、一緒にいて安らげた相手なのに…。
初めて…心を痛めてまで求めた相手…。

なのに…なのに、



こんなにあっさり離された手。
悪いのは自分だって分かってる。





でも。
それでも、圭が大事だ。
離したくなんてなかった…。

お前だけが居てくれればよかったのにな、俺は…。



俺は…何をやってんだろうな…。







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あきゅろす。
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