ラピスラズリのようなこの日
なんかうるさい。あーもうなんだよ、こっちは眠いんだけど。
「…い、越前。おい、起きろ」
ぺちぺちと頬を軽く叩かれて不機嫌オーラを出しつつも、なんとか眠い目を抉じ開ける。
「何」
鬱陶しいなあ、と思いながら自分の安眠を妨害するのはどこのどいつだと怒った顔を見せる。これがもし親父だったらめちゃくちゃに叩いてやろう。
「何じゃない。早く起きろ」
でもそこにいたのは、親父でもカルピンでも、いつも起こしにくる母さんや菜々子さんでもなく、
手塚だった。
「ぶ…ちょう…?」
「ああ、やっと起きたか」
え…ここおれの部屋だよ、ね。何で部長がいんのさ。
「出かけるぞ、着替えろ」
条件反射でついはい、と返事をしそうになったが、状況が状況なだけにここはさらっと流してはいけない気がする。
「何で部長がいるんスか」
「今日はお前の誕生日だろう」
だから何なんだ。誕生日だったら手塚が湧いてくるとでもいうのだろうか。
そこら辺のおれの戸惑いを部長は感じ取ってくれたのか、説明を付け加える。
「ああ、ちゃんとお前のお母様には外出の許可を得ているぞ。南次郎氏にはまだだが…」
ちょっと言ってくると言って本当に行きそうになった手塚を慌てて捕まえる。
前言撤回!ぜんぜんわかってなかった。こうやって手塚は時々ものすごくズレたことをするのだ。
「そもそも出かけるって?何すんスか」
「お前の誕生日プレゼントとケーキを買いに」
誕生日だろう?と問いかけてくる手塚が何だかとても愛しく思える。
おれ、この人と恋人やっててよかった。
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日記ログが更新されそうもないのでSSにしてしまおう企画第一弾
2007/12/25にブログにアップしたものです
こちらも少し手直ししました
(090420芳アンカ)
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