this is ... friend
2 第一印象、最悪
「!!十代目おはよーございますっ!!」
「きゃあっ!」
私と沢田君が教室の後ろのドアからこそこそと入ると、銀髪の男の人がすごい勢いで頭を下げてこんなことを言ってきた。
なんのためにこっそり入ってると思ってんのーー!?
「あ、獄寺君。おはよ…」
獄寺君?って、うそ!あの獄寺君!!?
私の中で獄寺君とは不良。転校してきたばかりでも、こういう目立つ子はすぐ覚えちゃう。
確かに、よく見ると獄寺君だ…。あの獄寺君が沢田君に頭を下げてしかも敬語ってどういうことー!?
「おはよ、ツナ。今日休みかと思ったぜ」
「や、山本…おはよう。実は、ちょっと朝ジャマが入っちゃって…」
あわわわわ、私の周りにカッコイイ男の子が二人もーーっ!!
ほ、ほらクラスの女子がこっち睨んでるぅ;
「ジャマ…?もしかしてこの女っスか!?」
「は…はぁ!!?」
この女って獄寺君が指したのは私。
ってちょっと待ってよ!私なんもしてないじゃん!いきなり失礼な奴っ
「あ、あの…獄寺君?」
「テメェ、十代目に手ェ出したら女だからって容赦しねぇぞ」
「さっきから何なのよ!失礼ね!!沢田君としゃべったのは、今日学校で初めてよ!変なこと言わないで」
「まあまあ獄寺落ち着けって。春日は転校生だぜ?転校生には優しくって先生も言ってたろ」
「うっせぇ野球バカ!これは俺と十代目の問題だ!」
「あんたと沢田君の問題なら私を巻き込まないでよバカ!!」
「だっ、誰がバカだと!テメェの方がよっぽどバカ面しやがって!」
「んなっ…あんたねぇ!!」
私は自分でも気づかない間にヒートアップ。動き出したら止まらないのが私の口。
素直になれないのは、私の悪い癖なのよね…
「獄寺君、春日さんは悪くないんだってば!遅れたのは俺の責任だし」
「十代目はお優しいから…」
「ええ、ほんとうに。誰かとは大違いですね」
「テッメェ…」
こんな言い合いを1時間目の先生が来るまで続けていた私たち。
そして授業中も目が合うたびに睨み合い。あぁもう目痛い。
そんなこんなでお昼休み。
いつも通り一人でもそもそとお弁当を食べていると、沢田君に声をかけられた。
「今朝はごめんね。良かったら一緒に食べない?」
獄寺君も一緒ってのがちょっとネックだったけど、せっかく誘ってくれたんだから一緒に食べることにした。
「十代目!どうしてコイツも一緒なんスか!?」
はい、予想通りー。あんたの発言なんて読めてんのよバーカ!!
…私って腹黒いのかなぁ……
「いいじゃねーか。多い方が楽しいぜ?」
「こんな奴が増えても楽しくねーんだよ!」
「食べてる時くらい静かにしたら?落ち着きのない人ね」
今度は冷静を装ってみる攻撃!!お、以外と効いたみたい。拳をプルプル震わせながらも獄寺君は何も言わずドカッとイスに座って自分も食べだした。
「なかなか目の付けどころがするどいじゃねーか、ツナ」
「え?今、どこから声が……」
「ここだぞ、雫」
まさかと思いながら足元を見ると、ちょこんと小さな子供が立っていた。
スーツと帽子なんか被っちゃって。てかどこから来たの!?いつの間に…
「リボーン!学校に来るなって言ってるだろ!!」
ん?リボーンって聞き覚えがあるなぁ…。あ、朝沢田君が言ってた名前…
「そんなことより、ツナ。お前も密かにマフィアとして目覚めてきたか」
「そんなことよりって…ってか、何の話だよ!」
「そういえば、何でリボーンちゃんは私の名前知ってるの?」
そう聞くと、リボーンちゃんはニッと笑って、
「オレの名前に聞き覚えないか?」
って言った。聞き覚えって……
リボーン…リボーン……!!?
「あ、あなたがリボーン……さん!?」
「春日さん、リボーンの事知ってるの!?」
「昔…お父様から聞いたことがある…」
「獄寺。ヴィヴロファミリーって聞いたことあっか?」
「は、はいリボーンさん。古くから存在するマフィアで、昔はボンゴレと敵対していた…」
「そうだ。雫はヴィヴロファミリー現代ボスの娘だぞ」
「えっ!!?」
「な、こいつがですか!?」
こいつって…どこまでも失礼な人だ。
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