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1 ほんの序章


「ぎゃああああ!!遅刻するーーーっ」

私春日雫は現在学校に向かい全力疾走中。
一週間前に転校してきたばかりなんだけど、どうも時間にルーズな私は、毎日こんな調子。
もう誰も通っていない通学路を一人で走る朝は慣れっこだった。

でも今日はどうやら一人じゃないみたい。後ろから声が聞こえてきた。


「ったく、リボーンのせいで遅刻じゃないか!どうしてくれんだよ!?」

「遅刻しそうなんだったら黙って走れ。それとも死ぬか?」

「ひぃっ!分かった、走ればいいんだろっ!」


男の子が二人かな?でも、一人は子供みたいな声…

狽ぁ!考えてたら走るのが遅くなるっ!とにかく今は走るあるのみ!!!











「ま、間に合わなかった………!」

「はぁ、はぁ……間に合わなかったのーー!?」

私が間に合わなかったんだから、もちろん私の後ろで走っていた二人も間に合わなかった…ってあれ?

「一人?」

「え?」

「君、私の後ろを走ってた人だよね?二人で走ってなかった?」

「あぁ…リボーン…えと、もう一人の方は生徒じゃないから」

私と一緒の遅刻君は、茶色い頭がつんつんしてる男の子。
男の子のくせに私のこと抜かさないからおかしいなと思ったけど、確かに運動は苦手そう…


「君たち、堂々と遅刻してくるなんていい度胸だね」

うっ、風紀委員長の雲雀恭弥先輩だ!この人はあまりいい噂を聞かない…というか、
『また誰かを咬み殺した』って話しか聞いたことが無いくらい。やだ、怖いなぁ。私も咬み殺されちゃうのかな…!?

「す、すみませ…」

ちゃんと謝ろうとしたのに、恐怖で声が出なかった…。恥ずかしい…

「…ねえ、聞いてるの?沢田綱吉」

「ひっ!す、すみません実はリボーンが…」

「赤ん坊?…そう、なら貸しを作っておこうかな。二人とも、今日は見逃してあげる」

「え、あ、ありがとうございます!!」

なんかわかんないけど、この人のおかげで助かったのか!?雲雀先輩が帰って行く…ああ、本当に助かったんだ〜〜

そう思ったら肩の力がすぅっと抜けて行った。

「ありがとうございます!誰か知らないけど…助かった!!」

「う、うん…。君、先週転校してきた春日さんだよね?俺、同じクラスの沢田綱吉だよ」


なんと!遅刻君は同じクラスだったのかあ!!

「ご、ごめんねっ。まだクラスの子の顔とか覚えてなくて…」

「転校してきたばっかだもん。しょうがないって」

沢田君はニコッて笑いながら、教室行こうかと言ってくれた。
運動苦手そうとか言ってごめんなさい。実は優しい人なんだね!




沢田君と一緒に教室に入り、そして私は彼に知り合うことになる




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