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あなたに恋していいですか?





部室をでると廊下は静まりかえっていて、心なしか体が軽くなった。



軽くなったあしどりでこのあとすぐ返しに行くか自分の教室に戻るか考えていると



「黒子っ!」



火神くんにいきなり呼ばれた。


火神くんと呼びかけ、どうしたんですか?と尋ねた。



一緒に教室まで行くのかと思ったが、火神くんは立ち止まりなにかそわそわしていた。



彼らしくなくて、眉をひそめた。


少しイラッとしたが、声にださずに火神くんの言葉を待っているとようやく口をひらいた。



「黒子、あ…のさ……。」



と頬を少し染めながら俯く彼を見て目を見開いた。



こんな火神くんは見たことがない。





「きもちわるいです。」



あまりにもそのしぐさが似合わなくてそんな言葉がポロッとでてしまった。



「うるせーなっわかってるよ!だからそんな目で見んなぁぁぁ!」





彼は半泣きでうったえてきた。



無意識のうちに僕はあわれみの目でみていたようだ。



そんな目でみてたなんてなんかおもしろく思えてきた。



ふっと笑っていたら急に肩をがしっと捕まれた。



びっくりして顔を上げると火神くんの目がキッと僕をとらえた。












「オ、オレもついていこう…ぐふっ…!」




何を言うかと思えばキミもですか。さっきの部室のことで少しイライラしてたのもあり、その言葉を聞いた瞬間彼の腹に一発いれていた。



ちょうどヒットしたので少しの間うずくまって動けないでいた。






「テメェ……」








つんっ



「ぐわっ!!」







ビターンと大きな音をたてて倒れた。





彼がよろよろ立ち上がろうとするから後ろにまわって膝の裏を軽くつついたのだ。



彼は気づくこともなく立ち上がろうとしていたので、不意をつかれたのかヒザから大きく崩れ落ちたのだ。





今絶対僕の頬は緩んでいると思う。








すると、今度は本当に動かなくなってしまった。



少しやりすぎたかと思うと、火神くんの肩がふるえだした。



大丈夫かと思い立ち上がるのを手伝おうと手を伸ばしたら彼は急に立ち上がった。





「黒子テメェ!こっちが下手にまわ、れ、ば……っていねぇーー肇







……………え?




「くそ、どこ行きやがった。教室か!?黒子ぉぉぉぉー!」







どどどどどと言わんばかりに音をたてて走っていった。




……後ろにいたのに。








伸ばした手が虚しくおろされた。






おろすと同時にチャイムが鳴り響いた。






1限が始まってしまうと思い、急いで教室へ戻った。







手帳を返しに行くのはお昼のときにしようと思った。



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