3000hit御礼SS 他愛ないこの会話に(ハリーポッター) 日曜日の午後…サワサワと、ホグワーツに初夏の爽やかな風が吹く。 ハリーとロンは、裏庭で午前中にホグズミードに行って手に入れてきたお菓子を食べたり、フレッドとジョージの店から貰った試作品を試したりしていた。 (今回の試作品は鼻が風船みたいに膨らむ飴で、顔と同じくらいまで膨らんだロンの鼻を見てハリーはお腹が痛くなるほど笑った) 取り留めのない話をしていると、二人の頭の上を掌サイズの小さな妖精が、森を目指して懸命に飛んで行く。 「あんな、絵本に出て来るみたいな可愛い妖精もいるんだね」 ハリーは妖精をじっと見つめている。 「うん。あんなのをママとジニーが見たら、きっと喜ぶよ」 ハリーにつられて、一緒に妖精を目で追うロン。 ある程度の場所まで妖精が飛んで行ってしまうと、そのまま草の上にゴロンと仰向けに寝そべる。 「なんかさぁ…平和だよなぁ…」 寝そべったまま、ロンが呟いた。 「どうしたのさ、急に」 「んー…何と無くそう思っただけ」 「変なの」 考え込むロンの顔に、吹き出すハリー。 「そう?………おやすみ」 ロンはそう言うと、大きな欠伸を一つして目を閉じてしまう。 「僕も昼寝しよ……おやすみ」 「ん…」 隣に横になったハリーに、ロンは聞こえるか聞こえないかの小さな返事をした。 夏の匂いが混ざり始めた爽やかな風が吹く、ある日のワンシーン。 title:ハマヒルガオ様 [次へ#] |