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Novel
いつもの君が【セザルノ】
「お…おい、セザンヌっ…」

「何だね?なにか言いたいことでも?」

「お前っ…しらばっくれるなこのヒゲ!!」

「しらばっくれる?私は、言いたいことがあるのか、と聞いただけだが。
君が言いたいことは聞くつもりだよ?」

「あ、のなぁっ…
…その、これって…」

「あぁ、それかい?見たまんまじゃないか。
首輪だよ」

「それは分かってるよ!
僕が言いたいのはっ、なんでこれが僕の首に嵌まってるかってこと!!」





涙目で訴えてくるルノワールに、ますます嗜虐心が煽られる。
あぁ、なんて可愛い。


「そりゃ、私が君の首にぴったりのものを見つけてきたからに決まってるだろう」

「そーいうんじゃないだろ!?早く外せよ!!」

「それは無理な相談だ」

「なんでだよぉ…」


最早涙声になってしまっている。
しかし、やめる気はない。


「私がその姿を見て興奮するからだろうね」

「っ……!?」

「ふふ…ルノワール君、きみは本当に可愛いね」


ああ、頭が痛い。
クラクラしてきた。

今日の私はなんだか変だ。


「なんだよ、いきなり…」

「事実じゃないか。
それに、いきなりではないよ。私は常日頃からそう思っている」

「〜〜〜〜ッ!!
なんか変だぞ、今日のセザンヌ!」


言われなくても分かっている。
分かっているのだが。


「何処が変だと言うんだい?言ってみたまえ」


身体が勝手に。


「…普段はもっと優しいもん。
て、てて手つきとかっ…」


……なんだか私よりも、私を煽るこの男の方が悪い気がしてきた。

だってそんな可愛いことを言われたら、


「…?セザ…ぅわっ」


自分を抑えきれない。


「ホントにどーしたのさ君…
何か変なものでも食べた?」

「心配ありがとう。
だが、余計なことは考えなくていい」

「…え?」

「私にまかせろ…ほら、力を抜け」

「え、え…ちょ、セザン…ふ、んっ…」


強引にその口を塞げば、周りはたちまち喘ぎと水音で溢れる。
ルノワールの歯茎に舌を這わせ、セザンヌは先程よりは理性的になった脳みそで考えた。

このままこの恋人を犯していいものだろうか。

いやいや、ダメに決まっているだろう。勢いだけで情交など。

自問自答を繰り返しているうちに、ルノワールの喘ぎ声がだんだん大きく…そうだ、口を塞いだままだった。


「ぷっは、ぁ…」

「すまないルノワール君、大丈夫…か?」


出来るだけ心配そうに尋ねてみたのに、


「…っ今、僕のこと完全に忘れてたでしょ…」

「あー、………すまない」


これは久しぶりに本気で怒っているかもしれない。
ご機嫌取りの方法を考えなくては…


「セザ、セザンヌのっ、…馬鹿あぁああああッ」

「ぐふっ!?」


信じられないことに、ヤツはタックルをかましてきた

なにもそこまで怒らなくても…
そう思ったが、どうやら違うらしい。


「…泣いているのか?」

「言うな馬鹿ッ、馬鹿ンヌ!!」


ぐずぐずと洟をすする音も聞こえてくる。
スーツに鼻水がつかなければいいが…。


「う、ふぇっ…
…あのセザンヌ、怖かったぞ…」

「…?」


あのセザンヌ、とは…さっきの私のことだろうか。


「なんかっ、セザンヌだけどセザンヌじゃなかった!
あんなのヤだ!!」



…それはつまり、

「普段の私の方が好き、とでも言いたいのかね?」

「うんっ……うん?」


そこでヤツは顔を上げて、
私の顔を見て、




顔から火を噴く勢いで赤くなった。
それはもう、私もつられて赤くなってしまうくらいに。


「な、んっ……ち、違う!違うからな!!
僕は別にそんなことが言いたかった訳じゃっ」

「そんなこと、なのか?
私を好きなことが??」

「え、いやっ…
その、えっとっ…」


うろたえる姿も可愛い。
とか、私は病気なのかもしれない


「〜…とにかくッ、もうあんなんになったらダメだぞ!
約束だからなっ」


…嗚呼。

なんて可愛らしい。


「うっ、ひゃあ!?ななな何すッ…」


思わず目に溜まっている涙を舌で舐めとってしまい、声を上げられた。

ああ…なんだかまたクラクラする


「もうっ、約束って言ったろ!?
ていうかお前、熱すぎじゃ…」


身体の自由が利かない。

力が、入らない。


「ちょ…セザンヌ!?
どうしたんだよ、おい、セザンヌ!」


気持ち悪い。
頭が痛い。
ルノワール君。
ルノワール君。



暗転______











「…あ、起きた」


目を開けると、ルノワールの顔が至近距離にあった。

「大丈夫かよ、君…
てゆーか覚えてる??」


覚えてるって、何を…

…あぁ、思い出した。
私が倒れたことを言っているのだろう。

そういえば、此処は私の部屋だ。
倒れた時も確か、私の部屋に居て…


「…ッいった、」

「ああ、ダメだよ起き上がっちゃ。
なんか頭打ったっぽいから」


ルノワールがまたベッドに寝かせようとする。

なんだかムラッとして、彼の頬に軽く口づけをした。


「…ッ!?」

顔を赤らめてこっちを睨む彼にニヤリとしてみせる。

「…元気がありそうで何よりだよっ!」


そう言ってドアの方を向くので、思わず手を掴んだ。
「…帰るのか?」

「………、お粥もってくる」

ルノワールはそのまま手を振り切って廊下へ出ていった。


きっと熱のせいだろう、さっきからやけにムラムラする。
…今夜はどうやって引き止めようか。



そんなことを考えながら、セザンヌはルノワールがお粥をもってくるのを待っていた。





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なんだか変態なセザンヌが書きたくなったので・・・w
まあ私の書くセザンヌはいつでも変態なんですけどね!!

お粗末さまでしたー







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あきゅろす。
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