氷のような手と目と心と舌ざわり ※ゆみ様リクエスト、エール痴漢。 要するに、惹きつけ過ぎるのだ。 すっかり蕩けきった後ろを指でかき回しながら、時折震えて筋の浮きあがる首筋を少年の背後から眺め、エースは口角をにやりと上げた。 一年前の春、この少年を駅で見かけて一目惚れをしてから、ときは瞬く間に過ぎてゆき。 最初は混み合う車内の中、姿を見かけるだけで幸せで、端から声をかけるつもりなどエースにはなかった。 そこまでの度胸がなかったといえばそれまでなのだが、それ以前にエースは、名前も知らないその少年の、物憂げに外を見つめるその横顔が好きだったのだ。 とはいえ、時折友人と乗り合わせていることもある少年の、そのときに浮かべる笑顔がとても明るいことも知っていたので、ただ単に、今はずっと見つめたまま、まだまだたくさんあるであろう少年の表情を、色々知っていきたかったのかもしれない。 前に一度、どうにも我慢ができなくなって、エースが降りる一つ前の駅で電車を後にする少年の後ろを、つけていってしまったこともある。 どうやら少年は、エースの勤めている会社のある町の、隣町にある大学に通っているようだった。 その日は仕事をさぼり、大学付近周辺を散策しながら、あいつもここで買い物をしたりするのかな、とスーパーマーケットに入ってみたり、昼休みや学校帰りにここに寄ったりするのかな、と喫茶店で珈琲を飲んでみたりした。 そして、その日の講義が終わったのだろう。家路につく少年の後に続き、そのバイト先を知り、住んでいるアパートを知った。 少年の下宿しているアパートは、エースの住む街より二駅ほど離れた場所にあった。 バイトは、某ファーストフード店で週に三日ほど、シフトを入れているらしい。 少年がバイトを終えるまで店内で適当に時間を潰していたのだが、少年はあのときカウンターで注文をした自分のことを、覚えてくれているだろうか。 次の日の朝、いつものように電車の中で顔を合わせたときの少年に気付いた様子は見られなかったので、残念ながらその可能性はなかったのだけれど。 それでもエースは、幸せだった。 愛する少年の生活の一部を知れただけで、心が躍るほど嬉しかった。 休みの日には度々、少年のシフトが入っているときだけ、店へ通いつめたりもした。 チェーン店の決まった制服を着て、楽しそうに仕事をしている少年を気が済むまで見つめていたが、それだけで満足できないときは、少年が帰宅した後のアパートまで足を運んで、何時間も少年のいる部屋の窓を眺めたりしたこともあった。 とにかくエースは、毎日駅で会うその少年のことが、好きで好きで仕方なかった。 一日中その姿が頭から離れなかったし、毎晩夢にまで見た。 手を繋ぐ夢、一緒に食事をする夢、二人で眠る夢、それから…。 夢の中でなら、エースは少年の恋人になれた。 少年の細い項も、薄い背中も、華奢な腕も、目の下に残る傷痕ですら酷く愛しくて、愛しくてたまらない。 今のエースには、あの少年が自分のすべてだった。 何があっても、ずっと自分が見守って、困ったときには助けてやろうと思っていた。 愛していた。心から。 いずれ、少年も自分の存在に、気付いてくれるとエースは信じていた。 だが数日前、エースは見てしまう。 仲睦まじく手を繋ぎながら大学を出てくる、少年と女の姿を。 二人を纏う雰囲気は正しく恋人のそれで、まるで夢の中のエースと少年、そのものであった。 エースはそのとき、そうか、と思った。 少年が何故、いつまでたっても自分のこの想いに気付いてくれないのか、その理由がその瞬間分かったのだ。 あの女がいるからだ。 あの売女が少年をずっと誘惑していたから、少年は目が眩んでまったく自分に気付いてくれなかったのだ。 そうか、そうか。それなら話は簡単だ。 女には絶対にできないやり方で、気付かせてやればいい。 そうすればきっと、少年も間違いに気付いて、自分の方を見てくれるに違いない。 エースはあの日、繁華街の方に向かって行く二人の背中を見送りながら、にやりと密かに笑った。 逃げようとする体に腕を回し、腹を手で押さえて、動きを封じる。 さっき前を散々弄り倒したから、下着の中はもうぐちゃぐちゃだろう。 少年は、最初こそこの人混みの中で必死に抵抗してきたが、今はエースの与える快楽に素直に応え、自分の口を両手で塞いで熱い吐息を吐き出している。 我慢できずに漏れる、微かな嬌声がエースの鼓膜を擽った。 がたんがたんと揺れる車体にあわせ、少年の中に埋めた指が不規則に蠢く。 閉じようとする脚の間に膝を入れてそれを阻み、根元まで指を入れて、中で指をばらばらに動かす。 掌に当たる、少年の柔らかい尻の感触が、たまらなく心地よかった。 密かに乱れる少年の姿に興奮し、エースの呼吸も荒くなっていく。 うっすらと汗ばむ少年の首筋に鼻先をつけ、ふぅぅ、と息を吹きかけると、ぴくん、と小さな肩が跳ねた。 「………ひ、…ゃ、」 エースの指先が奥のこりこりとしたしこりに触れると、少年の手の間から堪え切れない声が溢れた。 下着の中も、更に濡れてきたような気がする。 このままもう一回イかせてやろうかと思ったが、そのときちょうど、車内アナウンスで少年の降りる駅が近いことを告げられる。 エースはそこでしばし考え、少年の耳元に唇を寄せると、「お前の降りる駅だろ?」と囁いた。 びくりと、少年の体が戦慄く。 黒く、つびらなその瞳が、涙を浮かべながらちらりと背後にいるエースを見た。 「降りようか?このままここで、こうしてる訳にもいかねぇしな…」 がたん、 電車が、より大きく揺れる。 少年の毎日降り立つ見慣れた駅が、窓の外で徐々に姿を大きくしていった。 今日は、初めて二人一緒に降りることができる。 そう思うとエースは嬉しくなって、自然と鼻にかかった笑い声を漏らしてしまった。 「いやっ、だ…ぁあっ…!ああ、あっ、!」 通勤ラッシュの過ぎたこの時間帯、都心を離れたこの駅のトイレを使う人間はそうそういない。 特に、それが男用の個室であれば、尚更だ。 エースは、便座に座らせた少年の剥き出しの脚を大きく開かせ、その間に頭を入れて膨らんだ誇立をしゃぶりながら、指が四本も入るようになったアナルをひたすら刺激していた。 じゅるるる、とはしたない音をたてながら蜜を流すペニスを吸い上げ、前立腺を押し潰すようにぐちゅぐちゅとする。 少年は遠慮がちにエースの頭に手を置き、口の端から唾液を垂らしながら、真っ赤になった顔を欲に歪ませている。 男の性器なんて初めて口にしたけれど、この少年のものならば不快感などまったく感じなかった。 夢と同じだ。 夢ではどこか、ホテルのような場所でだったけれど、ひとまずまぁよしとしよう。 少年の分泌物が、自分の体の中に入って一つになっているということ。それが、たまらなく嬉しい。 口の中に溜まっていく先走りを飲み下し、エースは喉を鳴らした。 「やめ…もっ…ぁ、あんた…誰だ、よぉっ…ぅ、あ、!」 「…んん?…酷ぇなぁ、おい。マジで気付いてなかったってのかよ。俺さ…ずっと前からお前のこと見てたんだぜ?可愛いなーって…ずっとさ、」 「ずっ…、ひ、ぁあっん、んぅ、嫌っ…やぁあっ…!ゃだ、やだっ、やっ…やめ、ぅっ…はん、んっ!」 「…でも、今のお前が一番可愛いかもな…めちゃくちゃ、興奮する…、」 「や…だっ、舐めちゃ…やだって…!も、ゃ…っ」 だらりと弛緩した膝裏に手をやり、天井に向かって押し上げ、陰部をますます晒すようにする。 電車の中で二回ほど。そしてここでやはり二度吐精した少年のペニスからは、最早濃度の薄い精液しか出てこない。 それはもうほとんど透明で、先走りに近い。 それでもエースは貪欲に、少年のそれにむしゃぶりついた。 先端から溢れ、アナルの中にまで垂れ流れた愛液は、すでにどこにもおさまりがつかなくなって、便座を伝って床に零れ落ちる。 ひぃ、ひぃと引き攣った呼吸が個室の中に響き渡り、もう声もまともに出すことができないのか、少年は全身を強張らせて首を仰け反らせ、眉を寄せてきつく目をつぶりながら、少量の精液をエースの口の中に放った。 はぁ、と深い息を吐いた少年は、かくん、と首を元に戻し、弱々しく頭を横に振る。 エースは、喉に纏わりつく粘りに愛しさを感じながら、喉仏を摩ってゆっくりと立ち上がった。 赤い頬に、涙を幾筋も流しながら荒く呼吸を繰り返す少年の額に口付け、エースはベルトを緩め膨張した性器を取り出して、ひくひくと収縮するその入り口に先端を固定した。 脱力した少年の、首元が大きく震える。 一度深呼吸をして亀頭を潜り込ませると、あとは少年の体が、エースを引き込むようにして自然とペニスを導いていくれる。 まったくなんの障害もなく少年の内壁はエースを受け入れ、後はきゅうきゅうと埋められた性器を絞るようにして締め付けた。 可愛らしく自分を包みこんでいる尻膣に、エースはうっとりと溜め息のような声を出す。 細い腰を抱えて小さく下半身を動かすと、「ぅ…、」と、ぐったりとしながらも少年が、微かに反応して喘いだ。 「…は、ぁっ…、思った通り、凄ぇ…気持ちぃ、」 「あっ…−−−、ぃ、…いた…ぁっ、」 「…痛ぇ、か?…ごめんなぁ…すぐに、よくしてやる、からっ…」 最初はゆっくりと腰を動かし、ギリギリまで引き抜いて、再び根元まで押し込める。 あれだけ慣らしたが、やはり性器の挿入には痛みを伴うのだろう。 エースは、少年の負担を少しでも減らしてやろうと、すっかり腫れたその陰芯を握って、緩く擦り上げた。 たちまち、少年の体が歓喜に震え、痛みに堪えた表情に愉悦の色が混じる。 「…んんっ…ぁ、」 「……く、…ぅっ…きっち……、」 「あ、ひっ…やぁ、ぅ…!はぁ、ぁあっ…ぁ、んんっ…!」 ペニスに刺激を与えた途端、一気に締めつけが強くなった少年の中に、エースも息をつめてしまった。 汗に濡れた肌をもう一度しっかり抱え直し、抜き差しする角度を決めて、しっかりと目処をつけて律動を始めた。 狭い個室の中で男が二人無理に動いているから、物の暴れる音が凄まじい。 じゅぷじゅぷ、ぐぷ、と、粘着質な音が断続的に漏れた。 それにあわせるようにして、少年の濡れた唇から苦しそうでもあり、甘くもある声音が絶えず聞こえる。 「ぁああっん、ぅうっ、あっ…!ひ、ゃ…やあぁあっ…!あ、やっ、や、ぅあっ!」 「…ん…っ、ああ…気持ちいいんだな…そうだろ?」 「いっ…よ、くなっ…!やだっ…やだよっ…んぁあっ、くぅ、んっ、」 「可愛い、な…本当に可愛い…。なぁ、俺さぁ、お前が好きなんだよ…ずっと前から、さ」 「あっ…ぅ…!ひっ……やぁっ、やっ…!」 「だからさ…これが終わったら、名前教えて?」 「………やだっ、ぁああ…!」 「もしあれだったら、直接お前ん家に行ってもいいし」 「………、!」 「…あんな女より、ずっと気持ちよくしてやれるだろう?俺、」 「………っぁ、く…!」 短く不揃いな黒髪を撫でながら最奥を抉ってやると、もう駄目だ、とでも言いたげな顔で、少年は達した。 がくんと、頭が後ろに垂れる。軽い貧血でも起こしたのだろうか。 意識も朦朧に、いまだエースに揺さぶられている少年の顎や首にキスを落としながら、エースは満足気に笑った。 自分をここまで惹きつけたのは、この少年だ。当然、その責任をこいつはとるべきだろう? がたがたと、エースの齎すそれの他に、空間が小刻みに振動を始める。 がたんがたんと聞こえるそれに、電車がやってきたのだ、と分かる。 自分が果てたら、身支度を整えて、少年をアパートに送り届けてやろう。 そうしてゆっくりと、夢の続きを現実で叶えよう。 エースはこの後のことを思い描きながら、舞い上がるような心持で腰の動きを速くした。 終 ゆみ様リクエスト、エールで痴漢でした…! まずゆみ様、アップするのが遅くなってしまい、大変申し訳ございません…! そしてそして、蓋を開けてみれば、どうにも微妙な仕上がりでございます…;; 痴漢って設定が大好きなはずなのですが、何やら熱が入りすぎて、逆に空ぶってしまった感があります(;一_一) ゆみ様は記念すべきフリリク第一号様なのにぃぃ!こんなに不甲斐なくてすみません…!もうぐだぐだもいいとこなので返品可でございます;;お待たせした上にこんな出来栄えで、本当に申し訳ございません…;; それから、これは皆様に…。 近頃、更新が不定期ですみませんです;; 拍手レスも滞ってしまい…ほんとごめんなさい! 今までの拍手レスは、次の記事でまとめてさせていただきますね。 お待たせしてしまって申し訳ないですm(_ _)m 最後にゆみ様、リクエストありがとうございました! これからもよろしければ管理人ともどもこのサイトをよろしくお願いします! こんな萌えないエールですみません!ほんとにごめんなさい;;では! 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